2019 Fiscal Year Annual Research Report
Government debt as international liquidity
Project/Area Number |
18H03638
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 一平 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50736874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 浩介 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30263362)
中嶋 智之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (50362405)
高橋 修平 京都大学, 経済研究所, 准教授 (60645406)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 国債流動性 / 政府債務 / 非完備市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度までの主な研究成果は以下のとおり。 - 国際的な資金の流出入が景気循環に大きく影響を及ぼす経済においては、中央銀行は、インフレ率の安定のみに焦点を当てる政策を行うと、かえって経済変動が大きくなる。そのような経済において、金融取引に課税を行うようなマクロプルーデンス政策を組み合わせることの望ましさを理論的に研究した。また、外貨準備政策の有効性についても研究を進めている。さらに、社会的厚生を最大にする政策(ラムゼイ問題)の設定を行い、現在その解析をしている。さらに、金融取引に課税を行うようなマクロ・プルーデンス政策は、(実際に政策として幅広く用いられている)中央銀行による外貨準備政策と同値であることを示した。 - 労働者がidiosynraticな生産性リスクに直面し、労働市場が競争的サーチで特徴づけられるような経済の、最適な所得再分配政策について分析を行った。 - 借手(企業や国家)の負債が一定水準を超えると、貸手の返済計画に関するオファーの信頼性が損なわれ、経済の非効率性が増すことを示した。 - 非完備市場のマクロモデルにおける最適な税制の問題に関して、政府の資本蓄積は均衡利子率をゼロ以下にすることを示し、無税均衡が成り立たないことを示した。また、個人固有のリスクに対する市場が非完備の状況では、政府支出が一定の水準を超えると、 政府の資産収入のみで政府支出を賄うという無税政策が長期的には実行不可能になるということを理論的に明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの担当についての研究が進捗している。得られた研究成果は、国内外でのセミナー、コンファレンスで発表されたほか、学術誌に公刊、ないし、ディス カッション・ペーパーとして公表されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年3月には、国際金融・国際マクロ経済学に関するコンファレンスを、慶應大学三田キャンパスにて、慶應大学、高麗大学、東京大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、香港科技大と共催する予定となっている。そこで、政府債務の安全資産としての役割、財政の維持可能性、国債協調からの便益、という側面に注目した、最適な債務残高研究成果を発表できるよう、鋭意分析を進める予定。
|
Research Products
(8 results)