2018 Fiscal Year Annual Research Report
校長のリーダーシップ発揮を促進する制度的・組織的条件の解明と日本の改革デザイン
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18H03654
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
濱田 博文 筑波大学, 人間系, 教授 (20212152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛渡 淳 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (30151856)
高妻 紳二郎 福岡大学, 人文学部, 教授 (20205339)
森 貞美 聖徳大学, 児童学部, 准教授 (10337850)
山下 晃一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80324987)
大野 裕己 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (60335403)
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (20380785)
高橋 望 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10646920)
照屋 翔大 茨城大学, 教育学研究科, 准教授 (90595737)
Tastanbekova Kua 筑波大学, 人間系, 助教 (30726021)
張 揚 北海道大学, 教育学研究院, 助教 (60767193)
諏訪 英広 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80300440)
佐古 秀一 鳴門教育大学, その他部局等, 副学長・教授 (30153969)
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70436450)
織田 泰幸 三重大学, 教育学部, 准教授 (40441498)
高谷 哲也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (00464595)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 校長のリーダーシップ / 制度的条件 / 組織的条件 / 学校経営 / 国内調査 / 海外調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、校長のリーダーシップ発揮の促進要因を、校長職をとりまく制度的・組織的条件に焦点づけて実証的に解明し、日本における改革デザインを提示することを目的とする。 核心をなす学術的「問い」は、①校長のリーダーシップ発揮を促進する制度的・組織的な条件は何か?、②日本でそれを構築するにはどのような改革が必要か?、の二つである。 本年度は、校長のリーダーシップ発揮に関係する当事者の認識を解明するための国内調査と海外調査を実施した。 国内調査では、まず予備調査として現職校長および退職校長等に近年の学校経営の実態や校長のリーダーシップをとりまく諸条件についての聴き取りを実施した。同時に、国内での関係する先行研究を批判的に検討し、質問紙調査の枠組みと構成を構築した。全国の公立高等学校・中学校・小学校・特別支援学校の中から無作為抽出された2,400校の校長、校長候補者(副校長・教頭)、ミドルリーダー教員を対象にして質問紙調査を実施し(有効回答率38.1%)、学校経営の現状と校長のリーダーシップの実態当に関する基礎的分析を行った。その結果は中間報告書にまとめ、Researchmap上で公開した。 これと並行してアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ロシア、カザフスタン、中国、韓国、台湾の各国における校長のリーダーシップを支える制度的・組織的条件に関する資料・情報収集を進めた。そのうち、アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、韓国については現地訪問調査によって、学校・教育行政機関、専門職団体、民間組織等の活動状況に関する聴き取りと資料収集を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は大規模な国内調査を実施し、結果分析を行うことに第一優先順位を置いて取り組んだ。これは当初の計画通りに進めることができた。海外調査も各国の調査先との関係をつくりながら順調に進めることができたが、イギリス調査については日程調整に手間取ったため年度を繰り越して実施した。ただし、その成果は予想以上に実りあるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は、校長のリーダーシップに関係する当事者の認識を解明するための国内調査と海外調査を昨年度に引き続き実施するとともに、国内調査では教育行政担当者および専門職団体によってなされている校長のリーダーシップ支援・促進の活動実態を解明することである。 国内調査班では、質問紙調査のデータをさらに掘り下げて分析し、現代日本における学校組織と学校経営の実態と、そこにおける校長のリーダーシップの支援・促進条件を解明していく。そのために、校長会や教育委員会に対する聴取り調査を進めていき、質問紙調査結果と照合しながら検討する。 海外調査班では、校長のリーダーシップ発揮を支えている資格・養成・研修等の制度的条件と学校内外による組織的条件の解明を課題とするが、これまでの調査結果を踏まえて、いわゆる先進国では、専門職(profession)を標榜する非政府(民間を含む)の校長会・学術団体・研究者の連携組織による自己統制の活動や認証評価機関等の任意的活動に注目する。また、日本に近接するアジア圏にある中国・韓国・台湾は類似の文化圏でありながらも新自由主義的政策の面では急進性を有すること、そして、旧ソ連の体制を引き継ぐロシアと旧ソ連から独立したカザフスタンについては各国家のアイデンティティ形成のために展開される自律的学校経営施策を浮き彫りにする。2019年度は、2018年度に訪問できなかった台湾、ロシア、カザフスタン、ニュージーランドへの訪問調査を試みるほか、他の対象国においても、新たな訪問調査先を選定して調査を継続する。それらの結果を相互比較をしながら議論をおこなうことによって新たな分析視点を得る。 以上の国内調査と海外調査の結果から得られた知見を学会で発表し、考察を深める。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 学校経営2019
Author(s)
浜田博文
Total Pages
216
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623085033
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