2018 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算とインフォマティクスを活用した新しい高イオン伝導性結晶の探索
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18H03843
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (70183861)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / インフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
新規材料の発見を目指して,統計解析としてまず,データベースICSDに未収録の新規結晶を検索するために,ICSD収録化合物との化学組成空間での類似度をもとに,二値分解やテンソル分解に基づいた「推薦システム」を構築した。 また計算コストの高い格子熱伝導度の第一原理計算を小数の結晶に対して実施し,機械学習と「ベイズ最適化」により効率的に情報を得るとともに,仮想スクリーニングという手法を開発して活用し,統計解析を前提としたデータ獲得を多数の第一原理計算と多数の合成・解析実験によって実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初2年を要すると見込んでいた第一原理計算に長足の進展があり,ベイズ最適化の手法を通して,スムーズに仮想スクリーニングへ移行することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き,「推薦システム」と「ベイズ最適化」による仮想スクリーニングという手法を開発して活用し,統計解析を前提としたデータ獲得を多数の第一原理計算と多数の合成・解析実験によって実施し,適切な候補材料を絞り込んでいく。 1)推薦システムの構築 ICSD集緑化合物との化学組成空間での類似土をもとに,二値分類やテルソル分解に基づいた物質推薦システムを構築する。得られた候補物質系について,系統的な第一原理計算を実施し,熱力学安定性を理論計算から確認する。 2)ベイズ最適化による仮想スクリーニング 100件程度の小数の第一原理MD計算を実施してイオン伝導度のモデルを構築し,新しく開発するベイズ最適化の手法を通してICSD(5万件)と別途予測した安定化合物群の和集合に対して,仮想スクリーニングを実施する。 3)合成条件推薦システムの構築 幾つかの合成手法のもと,多数の条件で並列実験を行い,合成の成功データと失敗データを蓄積し,データを統計学習の結果に基づいて逐次的に増やすことにする。並列実験には,リチウム系,ナトリウム系とともに錯体重合法と組成傾斜薄膜法を利用し,合成条件や出発原料を系統的に変化させる。
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Research Products
(2 results)