2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H03868
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩瀬 英治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70436559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (30548681)
舘 知宏 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50586740)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 折り紙 / 切り紙 / フレキシブルデバイス / 機械的メタマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、基板材料および加工方法、配線部および電子素子部を含めた構造設計、曲面への貼付能を有する折り構造設計、Self-folding技術開発において大きな成果が得られた。基板材料および加工方法においては、岩瀬グループが主導して研究を進め、銅層が統合されたポリイミドを基板として利用し、UVレーザ加工機で切り出すことにより、切り紙構造を持つ電子デバイスの製作方法を提案した。また、七夕飾りに用いられる切り紙構造に関し、切り込みのない端部に近い部分の不均一変形部分に着目したモデル設計を行った。このモデルによって、モジュラスと破断ひずみに関して切り紙構造の機械的特性を理論的に設計することが可能となり、配線や電子素子実装部の設計時の構造製作の指針を得た。 続いて、曲面に貼り付け可能な電子デバイスの実現に向け、適用可能な折り紙構造を探究した。具体的な折り形状として、舘グループが研究を行う、折り紙テセレーションの一つであるミウラ折りを拡張したExtruded miura-oriを検討した。3D CADソフト上での折り構造のシミュレーションを通して、Extruded miura-oriが平行な2平面を持つことを確認し、電子素子実装や対象面への貼り付けが可能である事が示唆された。 また、Self-folding技術においては、形状記憶ポリマや熱収縮ポリマ、刺激応答性ゲルを用いたSelf-folding技術の開発を進めた。岩瀬グループでは、銅箔-熱収縮ポリマ-銅箔の3層構造を持つフィルムに対し、山側と谷側の銅箔部分の構造を工夫する事でself-foldingが生じる機構を考案した。尾上グループでは、刺激応答性ゲルであるpoly-N-isopropylacrylamide(pNIPAM)を材料として、高粘性液体中での3Dプリントを行い、加熱することにより形状の変形が可能な機構を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基板材料および加工方法や配線部および電子素子部を含めた構造設計、曲面貼付が可能な折り構造の選定において、当初の計画どおりに研究が進展したため。また、Self-foldingにおいては、計画段階では最も困難が見込まれたが、形状記憶ポリマや熱収縮ポリマ、刺激応答性ゲル等、多様な材料を用いた新規なSelf-folding機構の提案に成功し、当初の計画以上の成果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、基板材料・加工方法と配線部および電子素子部を含めた構造設計に関して昨年度の研究で得られた知見を活かして試作を行い、その伸縮変形性や繰り返し伸縮可能な機構・デバイスを実現する。また、曲面貼付が可能な機械特性を有する折り紙・切り紙形状を探求する。さらに、今年度の研究において、マイクロスケールでのself-foldingへの有用性が認められたポリオレフィンやポリウレタン等の形状記憶ポリマを利用したデバイス実装に関して検討を行う。
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Research Products
(12 results)