2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of current status and the mechanism on changes in coastal ecosytems off Fukushima after the 2011 Tohoku earthquake and tsunami and the nuclear disaster
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18H03962
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
堀口 敏宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 室長 (30260186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 元 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 准教授 (00554263)
姜 益俊 九州大学, 共創学部, 准教授 (20503098)
遠藤 一佳 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80251411)
児玉 圭太 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90391101)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 潮間帯 / 無脊椎動物 / 底棲魚介類 / 東日本大震災 / 福島原発事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年5~6月に福島県、宮城県及び茨城県の7定点において方形枠を用いた付着生物調査を行い、種組成と種別の個体数密度及び重量密度を調べた。また、2018年4月に福島県浜通りの15定点でイボニシ分布状況調査を行った。また、福島県大熊町夫沢と富岡町冨岡漁港、茨城県ひたちなか市平磯(対照地点)で2018年4月以降、イボニシを毎月採集し、成熟状況を組織学的に評価し、生殖周期を調べた。2018年7~9月には、福島県の4定点と茨城県平磯でイボニシの産卵状況調査を行い、卵嚢を採取して孵化率も調べた。 また、原発事故後の2017年4月に福島県浜通りの複数地点で採集したイボニシ試料と、同時期に対照地点(茨城県ひたちなか市平磯)で採集されたイボニシ試料のRNAとDNAの解析を行うべく、これらの個体からのRNAおよびDNAサンプルの抽出と、RNA解析を高い精度でかつ安価に行うための方法の条件検討を行った。その結果、RNAとDNAの抽出については、それぞれTrizolとCTABを用いた方法によって、解析に十分な量のサンプルを抽出できたことを確認した。また、RNAの配列解析については、従来の20-25%のコストで十分な制度のデータが得られる方法の開発を行っており、条件検討を継続して行っている。 イボニシ成貝に対するヒドラジン曝露実験も予備的に進めた。 一方、福島県沿岸における底棲魚介類の個体群動態と群集構造解析を行う一環として、観測定点をこれまでの9定点から16定点に増やし、また調査頻度を隔月とした新たなフィールド調査を2018年10月から開始した。今後、福島県沿岸における底棲魚介類代表種の生活史特性を解析し、明らかにする。そのうえで、それら魚介類の減少要因あるいは増殖阻害要因の究明を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究が、概ね、研究計画に沿って順調に進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を重点的に進めるとともに、試料解析や室内実験も順次進める予定である。
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Research Products
(4 results)