2018 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-omics analysis for hepato-biliary-pancreatic cancers
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18H04049
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中川 英刀 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50361621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 愛 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, ユニットリーダー (00383290)
井元 清哉 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10345027)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
相方 浩 広島大学, 病院(医), 講師 (30403512)
中村 透 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70645796)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム解析 / 肝胆膵がん / 多層オミックス / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一般的な癌腫の中で最も悪性度が高く治療が困難な肝胆膵がんについて、その臨床サンプルの多層的、統合的ゲノム解析を行い、そのゲノムを中心とした複雑なシステムを理解しようというものである。 肝がんについては、これまで解析を行ってきた300例のゲノムおよびRNAのデータから、腫瘍免疫事象を推定を行い、腫瘍内で行っている免疫抑制機構から4つの分類を行うことができた(論文投稿中)。また、肝がん組織のプロテオーム解析をRPPA法にて現在解析を行っている。 胆道がんと肝細胞がんの混合している混合型肝がんの全ゲノムシークエンス解析、RNAシークエンスを行った。日中共同で130例の統合解析を行い、これまで我々が解析してきたHCCとICCのゲノム変異と比較した。その結果、肝臓がん全般について四つの分化度に基づく分子分類が可能であることが明らかになった。また、混合型肝がんは、がん抑制遺伝子TP53 の変異がHCCやICCと比べて有意に多く、p53の下流で幹細胞の分化可塑性に関与するタンパク質Nestinの高発現が見られたことから、混合型肝がんの診断マーカーとしての可能性が示された。さらに、単一細胞解析にて、混合型肝がんの多くが単一細胞由来であることも分かった(論文発表)。 胆嚢がんについて、40例の全ゲノムシークエンス、またはエクソームシークエンス、およびncRNAを含むRNAシークエンスを行い、統合ゲノム解析を行った。TP53やELF3の変異が多数検出され、遺伝子発現データから大きく2つの分類ができることが明らかになった。 膵臓がんについては、小腸を含む凍結サンプルの収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝がん、胆道がんについては、解析が一部終了して、論文も発表できている。膵臓がんについては、小腸を含む凍結サンプルの収集を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
膵臓がんのサンプルがある程度取集できた時点で、ゲノム、RNA解析を開始する。また小腸と癌組織についてはメタボローム解析を考慮する。 肝臓がんのプロテオーム解析は、RPPAおよびpVEGRF2の解析を推進して、ゲノムおよびRNA発現、さらには免疫プロファイルとの比較検討を行う予定である。
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Research Products
(7 results)