2018 Fiscal Year Annual Research Report
New developments of quantitative research on Japanese National Character
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18H04101
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 堯星 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10583205)
尾崎 幸謙 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50574612)
吉川 徹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (90263194)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本人の国民性 / 面接調査 / ウェブ調査 / データ公開 / 継続調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,(1)「日本人の国民性第14次全国調査」の実施の他,(2)過去の「国民性調査」のデータの公開・共同利用に備え,コードブック等の周辺情報の整備を進め,(3) 第13次全国調査までまたは関連調査のデータを利用した学会発表・論文執筆等を進めた。(4)更に分担者1名は,ウェブ調査の実施法に関わる研究を行った。 このうち(1)の「日本人の国民性第14次全国調査」は,次の要領で実施した。[1]調査対象:全国の20-84歳の日本人男女,[2]調査時期:2018年10月末~12月上旬,[3]標本設計と標本の大きさ:層化2段無作為抽出法,400地点6400名,[4]調査方法:個別訪問面接聴取法,[5]調査内容:これまでの方式を踏襲し,K型とM型二種類の調査票を用意し,対象者を折半してどちらかの調査票への回答を求めた。内容は13次調査までの項目をおよそ踏襲した他,少数個の新規項目と,過去に利用された項目を復活させたものも含めた。 実査は専門調査機関に委託したが,調査地点の選定と一部の地点(計40地点)の対象者の抽出は,統計数理研究所が直接管理し,分担者を含む複数の大学教員の協力を得て,学生・若手研究者等が「研修調査」として実地の手続きを経験する機会を設けた。2018年度末時点で,データ・クリーニングがほぼ終了した段階である。 (4)については,尾崎・鈴木(印刷中)で提案したWeb調査で質問文を読まない等の不適切な回答者を識別するための,機械学習手法の応用によりデータの質向上を図る方法の検討を行った。この方法が様々な調査条件での調査に対して適用可能であることを示すために,3つの異なるテーマ・実施社でのWeb調査を実施し,一部の調査項目を「日本人の国民性調査」から採用することで,面接調査法と自記式調査法の比較も行える形の設計とした。データ解析の成果を次年度に公表することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の最大の目標であった「日本人の国民性 第14次全国調査」を,大きなトラブルもなくほぼ予定通り完了することができた点,が上記評価の最大の理由である。2018年度末時点で,データクリーニングをほぼ終え,分担者と限られた研究協力者にデータを利用するための準備を進めているところで,予定ではもう少し早い段階で渡せることが望ましかったと言える。この点がやや遅れているというのは,実績報告欄の(2)で書いた「データの公開・共同利用に備え,コードブック等の調査周辺情報の整備を進める」との部分で,60年以上もの歴史を持つ調査であることから,細かい情報の整備に予想外の時間を要したことが大きい。 成果発表については,2018年度中は直近の第13次全国調査(2013年実施)までの結果を,国際学会で発表・紹介する等の活動をある程度行えたこと,また初期の国際共同研究として近年の調査回のデータを用いた共著論文が刊行見込みであること等,を踏まえればまずまず順調であるが,こうした国際共同研究を通じて英語での調査周辺情報の整備が不十分である点も海外の共同研究者から指摘された。
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Strategy for Future Research Activity |
「日本人の国民性第14次全国調査」調査報告書そのものの発行とウェブ上での結果公開が第一目標となるが,次いで学術誌「統計数理」での特集号の企画を進めていること,また未定であるが,出版等の計画も立てており,初期の成果発表についておおよそ2019年度に今後の目処が立てられると考えている。例えば「統計数理」での特集号では,調査そのものの「平成期の30年」の日本人の意識に焦点を当てた報告の他,調査方法論や調査データ解析法に関わる論文も執筆も予定されている。 本課題の重要な目標として,データの(研究者向けの)共同利用の形での公開を掲げているが,このためには使い易い形での調査周辺情報(メタデータ)の整備が必要であることが2018年度の研究活動を通じて明らかになったので,この点にも留意して検討を進める。
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Remarks |
2019年度中に内容を変更する予定
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