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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Precise examination of N2O production and consumption processes with MILNC

Research Project

Project/Area Number 18H04138
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

木庭 啓介  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒岩 恵  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00761024)
勝山 千恵  広島大学, 統合生命科学研究科(総), 助教 (10580061)
寺田 昭彦  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30434327)
渡邉 哲弘  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (60456902)
仁科 一哉  国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (60637776)
内田 義崇  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (70705251)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords一酸化二窒素 / 窒素循環 / 安定同位体
Outline of Annual Research Achievements

窒素循環は生態系の重要な基礎基盤である。19世紀以降の人間活動の増大により、この窒素循環は地球がこれまで経験したことがないような拡大・過多状態にあり、非常に重大な地球環境問題の1つである。しかし環境中での窒素の挙動は極めて複雑で、いまだ理解は不十分である。その理由の一つとして、複数窒素化合物の挙動を追跡するのに有効な同位体トレーサーが15Nひとつしかないという制約が挙げられる。本研究では、申請者たちのこれまで培ってきた同位体技術を集約することで、15Nに加え18O、さらに17Oそして15N分子内同位体分布で標識した、多重同位体標識窒素化合物(Multiple Isotope-Labeled Nitrogen Compounds;MILNC)解析を実現し、複雑な窒素循環の定量的な解明を実現するものである。

2020年度はCOVID-19の影響で、ガス測定を複数のラボで実施するための出張や、室内実験においても入館制限などがあり、思うように研究を進めることができなかった。世界的なヘリウムガス供給不足も相まって、なかなかGC/MSでの測定を実施することができなかった。逆にリモートワークを利用して、MILNC解析に必要となるシミュレーションモデルの開発に着手した。これまで作られているN2O挙動解析シミュレーションモデルをベースに、15N、18Oの両方の挙動を追跡するためのアルゴリズムを加え、プロトタイプについてはほぼ完成することができた。そのプロトタイプに、これまで公開されている15Nデータを論文から読み取り入力し、モデル計算の妥当性について検討を実施した。このシミュレーションモデルについては、18Oの実測値が文献値としてもまだ存在しないため、その実測データを得て、そのデータ解析を行った上で、学会発表そして論文発表へと移行することを予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度はCOVID-19の影響で、ガス測定を複数のラボで実施するための出張ができず、さらに室内実験においても入館制限、そして世界的なヘリウムガス供給不足も相まって、なかなかGC/MSでの測定を実施することができなかった。そのため、リモートワークを利用して、MILNC解析に必要となるシミュレーションモデルの開発に本格的に着手した。これまで作られている15Nデータを用いたN2O挙動解析シミュレーションモデルをベースに、15Nだけでなく18Oの両方の挙動を追跡するためのアルゴリズムを加え、プロトタイプについてはほぼ完成することができた。そのプロトタイプに、これまで公開されている15Nデータを論文から読み取り入力し、モデル計算の妥当性について検討を実施し、ほぼ同様の挙動を得ることができた。この研究の新規性として18O(そして17O)のシミュレーションが重要であるものの、実際には18Oの実測値が文献値としてもまだ存在しない。そのため2020年度は、N2Oの挙動解明に必要な18Oの濃度レベルをシミュレーションの感度分析を用いて求めること、逆に添加実験をする際にどのレベルまで窒素化合物を18Oトレーサーで染める必要があるかといった議論を実施するところまでに留まった。なんとか15Nと18Oで染めた化合物を土壌に添加して、発生してくるN2Oの15Nと18Oの同時測定を実現したかったが、そこができなかったことを踏まえ、進捗に遅れが出ているという判断とした。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は、まずは中断してしまっている15N-17O-18OラベルN2Oの測定条件について詰めの測定を行い、可及的速やかに論文化を進めたい。COVID-19による出張の制限で異なる機械でのデータ取得が難しい状態であり、さらに全世界的なヘリウムガス供給不足があるため、実際にはかなり厳しいところがある。さらに現在、輸入活動の制限もあり17O水の入手に時間がかかっている。このように大変厳しい状況ではあるが、なんとか様々な要素を調整して、2021年度前半までには基礎的なデータはすべて取得できるようにと計画している。
また、亜硝酸イオンなど15Nと同時に18Oでもラベルされた化合物を用いた予備培養実験にて、これまでの15N実験と同様の実測を行い、18Oを組み入れたシミュレーションモデルのパフォーマンスを評価し、これは別論文として投稿を目指したい。さらに平行して、実際の培養実験を活性汚泥・湖沼河川堆積物を用いて実施し、15N-17O-18OラベルN2Oの実際の測定を実施し、構築してきているシミュレーションモデルに入れ込むことでN2Oの発生メカニズムについて解明を進めたい。実サンプルを用いた培養実験においても、輸送に関連した出張の問題などがあり、なかなか思うように進められないまでも、着実に論文公表へと進めてゆくことで、目指していた目標の最低レベルはなんとか達成したいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Influence ofδ18O of water on measurements ofδ18O of nitrite and nitrate2020

    • Author(s)
      Kobayashi Kanae、Fukushima Keitaro、Onishi Yuji、Nishina Kazuya、Makabe Akiko、Yano Midori、Wankel Scott D.、Koba Keisuke、Okabe Satoshi
    • Journal Title

      Rapid Communications in Mass Spectrometry

      Volume: 35 Pages: e8979

    • DOI

      10.1002/rcm.8979

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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