2022 Fiscal Year Annual Research Report
中性子電気双極子モーメント探索による時間反転対称性の検証
Project/Area Number |
18H05230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 特任教授
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 原子核(実験) / 素粒子(実験) / 超冷中性子 / 電気双極子モーメント / 時間反転対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の中性子電気双極子モーメント(nEDM)探索の実験感度は測定に用いる超冷中性子(UCN)の統計精度で制限されている。カナダTRIUMF研究所に高強度のUCN源を建設することで、現状の感度を越えるnEDM探索実験を行うことを目標にしている。我々のUCN源では陽子ビームをタングステン標的に照射することによって生じる中性子を最終的に超流動ヘリウムで冷却することによりUCNを生成する。効率的にUCNを生成するためには超流動ヘリウムの温度を1.0K程度に維持する必要がある。超流動ヘリウム冷却用熱交換器は外部に0.8Kに冷却された液体ヘリウム3、内部を超流動ヘリウムで満たす。内部はUCNの通り道(UCNガイド)にもなるため、乱反射を避けるため鏡面研磨し、UCN反射率の高いニッケル・リンメッキを行う必要がある。低温側にはフィン構造を持たせ、低温でより顕著になるカピッツァ抵抗による温度差を低減する。また、十分な機械強度を持たせるために無酸素銅製の熱交換器本体は電子ビーム溶接によってステンレスフランジに取り付けられる。R4年度はこれらのプロセスを確認するために熱交換器ショートモデルの製作に成功した。ショートモデルによって確認された手法により、熱交換器実機の製作に取り掛かっている。 J-PARC MLFのパルスUCN源を用いた要素開発も行った。UCN用スピン解析器の開発ではシリコン基板にスパッタした鉄薄膜用いることで、先行実験に比べて約6分の1程度の大きさの外部磁場でも同程度の性能持たせることに成功している。UCN源から実験容器までUCNを輸送するUCNガイドの開発ではUCNの物質表面での反射を再現する新しいモデルを考案し、UCNガイドの評価方法を確立した。nEDM測定に用いるUCN保持容器の性能評価も行っている。 UCN源の設置されるTRIUMFではヘリウム供給ラインやヘリウム減圧のための大型ポンプなどの設置が行われた。ヘリウム3循環システムや液体重水素モデレーターシステムなどのUCN源付帯設備の準備も進んでいる。nEDM測定時の一様・安定磁場形成のために必要な磁気シールドルームの建設も開始された。磁気シールドルーム外部に設置されるアクティブ磁気シールドコイルの詳細設計も終えている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Int'l Joint Research]
Country Name
CANADA
Counterpart Institution
TRIUMF/U. Winnipeg/UGC
# of Other Institutions
2
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[Journal Article] Study of Thin Iron Films for Polarization Analysis of Ultracold Neutrons2022
Author(s)
H. Akatsuka, T. Higuchi, S. Hansen-Romu, K. Hatanaka, T. Hayamizu, M. Hino, G. Ichikawa, S. Imajo, B. Jamieson, S. Kawasaki, M. Kitaguchi, R. Matsumiya, and K. Mishima
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Journal Title
JPS Conf. Proc.
Volume: 37
Pages: 020801
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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