2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of primer pheromones in mammals and elucidation of a neural basis for the pheromone action
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18H05267
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
東原 和成 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00280925)
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| Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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| Keywords | フェロモン / 嗅覚 / 受容体 / 神経回路 / 生殖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウスのプライマーフェロモンの精製・構造決定のためのin vivoアッセイ系を立ち上げた。具体的には、DNA組換え酵素Cre依存的にCa2+センサーGCaMP6sを発現するアデノ随伴ウイルス（AAV）を、生殖中枢キスペプチン神経群に感染させ、フェロモンを含む尿に対するCa2+応答をin vivoファイバーフォトメトリーで測定することに成功した。次に、尿からフェロモンを単離するために、活性物質の物性を調べたところ、鋤鼻器官のV2Rタイプの受容体を発現する神経群を活性化することから、不揮発性の低分子かタンパク質性のものと予測された。次に、プライマーフェロモンの分画のために、ODS, aminopropyl, HILICなど多様なHPLCカラムをはじめとする幅広い精製手法の検討を行なった結果、適切なカラムの選抜と精製条件の最適化をすることに成功した。一方、ヒトのプライマーフェロモン同定に関しては、被験者の脇下から匂いを捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、月経周期内の各ステージに特有な匂い物質が存在することが明らかになった。具体的には、月経期および排卵期に着目して、それぞれの時期に分泌されている匂い物質をいくつか見出すことに成功した。さらに、匂いを提示した被験者における自律神経系およびホルモンの変化を測定するために、呼吸と同期させて匂いを被験者に提示できるオルファクトメーターを立ち上げた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、フェロモン活性アッセイ系は順調に立ち上がり、精製手法の検討が順調に進捗した。また、ヒトの月経周期各ステージ特有な匂い物質をすでに見出すことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度立ち上げたフェロモン応答アッセイ系に、各種HPLCカラムで分画した画分を供して、誘起されるパルスを指標に活性画分を絞り込み、構造決定を試みる。また、フェロモンの受容体を、鋤鼻受容体V2Rファミリーのなかから探索し、同定した受容体遺伝子のノックアウトマウスを作製する。一方、妊娠阻害フェロモン現象のメカニズム解明に着手する。また、本年度明らかにしたヒトの月経周期内の各ステージに特有な匂い物質に関して、フェロモン効果をもつかどうかの解析を開始する。
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