2020 Fiscal Year Annual Research Report
HIV増殖阻害活性を有する海藻由来生理活性物質の探索
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18J00112
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上野 幹憲 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | HIV / AIDS / PEL |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト免疫不全症候群(AIDS)を引き起こす免疫不全ウイルス(HIV)に対する治療薬の開発が行われている。新規の抗HIV薬候補の見出すため,海藻由来生理活性物質の探索を行った。これまでに,海藻由来多糖類はHIVだけでなくヒトB型肝炎ウイルス(HBV)の初期感染を抑制することを見出した。また,エイズ患者では依然として日和見感染が問題となっている。特にヒトヘルペスウイルス-8(HHV-8)/カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)の感染を起因とする原発性滲出性リンパ腫(PEL)に着目した。PELは抗がん剤耐性であり,治療開始後の生存期間は約6か月であり,予後が非常に悪く,他の悪性リンパ腫と比較しても顕著である。加えて,標準的な治療法は依然として確立されていない。よって,PELに有効な化合物の探索を行った。ククルビタシンB(CuB)はキュウリなどのウリ科植物に含まれるステロイド骨格を有する生理活性物質である。植物においては,寄生虫や天敵に対する防御機能を有すると考えられている。これまでに乳がんや肺がんなどに抗がん作用を有すると報告されている。CuBはPEL細胞株に対し,濃度依存的に細胞増殖を抑制した一方で,健常者由来末梢血には毒性を示さないことがわかった。さらに,CuBはG-actinに作用することにより細胞骨格を崩壊させる。その後,アポトーシスを引き起こすことを明らかにした。さらに,高度免疫不全マウス(BRJマウス)を用いたPEL移植モデルマウスの実験では,CuB腹腔内投与により,有意にPEL由来固形腫瘍を抑制することを見出した。よって,CuBはPELの新規の治療薬の候補になりうると考えられた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)