2020 Fiscal Year Annual Research Report
"Theme and Variations" in Music of Folk Performing Arts: Diachronic and Synchronic Studies on Hayashi's Motifs
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18J00237
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Research Institution | Kobe University |
Research Fellow |
川崎 瑞穂 神戸大学, 国際文化学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 日本 / 民俗芸能 / 祭礼 / 儀礼 / 音楽 / モチーフ / 民族音楽学 / 構造人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目は、北海道地方・九州沖縄地方の民俗芸能を中心に調査を行った。特別研究員奨励費を使用していない調査も含めると、調査は計14回(民俗芸能の公演等も含む)、事例は計10(重複した事例を含めない)となった。3年間では合計して調査が計102回、事例が計136事例となった。調査にて採集した様々な音楽を分析し、使用されているモチーフを判定した結果、2年目までに広範な分布を示すモチーフとして挙げていた九つのモチーフのうち、いくつかのモチーフの分布域はこれまで以上に拡大し、さらに新たな一つのモチーフの発見(昇殿)に至った。 3年目はこれまでの研究のアウトプット、とりわけ2年度目までに口頭発表を行なった研究の文章化を中心に行った。通時的な研究の成果として最も大きなものは、モチーフの一つである「テケテットン」の歴史的な成立の経緯を描き出した査読論文が学会誌『日本文化學報』に掲載されたことである。拙稿は、1年目の国際大会での研究発表を元に執筆したものであり、これまで既に仮説として提示していた、テケテットンが高麗楽における「揚拍子」に由来するという説を批判的に考察しつつ、そこから現在の形までの流れを「修正会」との関係から描き出したものである。その他、旋律のモチーフとしては、「おかざき」に関する論考を『川崎研究』に発表した。 本研究が目指していたのは構造論の民俗芸能研究への応用であるが、東京電機大学の紀要に発表した論文では、方法論的な検討を行うことができた。当該論文では、これまでに調査した全てのモチーフ(刊行後見出された「昇殿」を除く)について言及しているため、本研究課題がどのようなものであったのかについて、具体的に知ることができるようになっている。最後の発表となった例会発表では、研究の方法論的視座であったレヴィ=ストロースの構造論に依拠しつつ、今後の布石となる研究を発表することができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)