2018 Fiscal Year Annual Research Report
多様な昆虫種に適応可能な新規遺伝学的神経標識法の開発
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18J01829
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 力憲 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | RNA工学 / 神経行動学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昆虫種全般に適応可能な遺伝学的脳領野標識技術を確立し、神経行動学の射程を大きく広げることを目標とする。本研究では次の3点の技術的課題に取り組む。1)ショウジョウバエの神経芽細胞を規定するマーカー遺伝子の発現を検知するRNAリボスイッチを作成する。2)それらのリボスイッチを組み合わせた遺伝子論理回路を作成しin vitroで動作させ、神経芽細胞を遺伝学的に標識する。3)ショウジョウバエ以外の昆虫種に遺伝子論理回路を導入し動作させる。 本年度はこのうち1)の課題達成のための予備的な準備実験を主に行った。具体的には、1)ショウジョウバエタンパク質フラグメントの大腸菌を用いた高濃度精製法を確立した。2)in vitro選別法の習得を行った。 タンパク質精製法の確立の段階で、事前には予期しない問題に対処する必要があった。具体的には、タンパク質サンプルからの脱塩操作に問題が生じ、一般的なプロトコールでは対処できなかった。この問題を解決するための条件検討に時間を要した。最終的には問題は解決された。この過程で得た条件検討は、当研究室における他サンプルの精製にも応用できる情報であり、申請課題だけでなく、研究室全体にとって有益であった。このような問題のため、計画より研究の進捗が遅れてしまったが着実に課題遂行の準備が整っている状況である。 また、in vitro選別法の実験手技習得では、RNAライブラリの作成および、ターゲット配列の増幅濃縮が実際に行えたことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タンパク質精製法の確立の段階で、予期しない問題が起こり対処に時間を要した。タンパク質精製の過程で、サンプルから塩を除く必要があるが、一般的な方法では今回のサンプルに適応できなかったため、代替手段を考案するのに時間を要した。しかしながら、最終的には解決された。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で、申請課題を遂行するためのサンプル調整、および、実験手技の習得が完了したので、次年度以降は実際に新規RNAアプタマー取得のためのin vitro選別法を遂行していく予定である。
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