2019 Fiscal Year Annual Research Report
中近世スイスにおける都市と周辺地域の諸勢力―都市フリブールを事例にして―
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18J02130
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
神谷 貴子 愛知県立大学, 国際文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 市外市民 / スイス西部 / フリブール / 領域形成 / Burgrecht |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、15,16世紀スイスにおける都市と都市外部の諸勢力、とりわけ周辺地域の中小貴族との関係性を明らかにすることである。具体的にはスイス西部に位置する都市フリブールとその周辺地域を事例として、A)市外市民権とB) Burgrechtによる両者の結合が都市の領域形成やスイス西部進出にどのように影響したのかを考察していく。 本年度の課題は、前年度に引き続きA)の史料分析を進め、その研究成果を論文にまとめることと、B)の史料調査及びデータ化を行うことであった。 本年度はA)に関する史料分析を終えた。その結果、16世紀におけるフリブールの市外市民制度は、14,15世紀にスイス諸都市で行われていた領域形成の一手段としてではなく、とくに15世紀末から16世紀前半にかけてBurgrechtに近い形で都市と領域内外の有力勢力とのつながりに広く用いられていたことが明らかとなった。この研究成果を論文にまとめた。 B)のBurgrecht研究については、2020年2月にフリブール州立文書館で史料調査を、フリブール大学図書館で文献調査を行った。また、Burgrecht締結の背景が明らかになるよう公証人登記簿の調査も行った。これらの史料は大半が未刊行史料であるため、調査に関しては現地の研究者らの協力を得た。 最終年度となる次年度は研究課題B)の史料分析を進め、調査内容や研究の成果を日本語のみならずドイツ語でも執筆し当地の学術雑誌での投稿を目標としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A)の史料分析は、史料が未刊行で複数の言語が含まれているために、当初の予定以上に時間を費やすこととなった。それでも史料分析を完了し、論文執筆に至った。 B)の史料調査および史料分析は本年度から次年度にかけて行う予定である。本年度に調査した分については史料の活字化とデータ化を進めている。 本年度はA)の研究成果を論文にまとめたものの、学術雑誌への投稿には至らなかった。次年度に複数の論文投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はまずA)の分析結果をまとめた論文を投稿する。また、B)の史料分析を進め、研究成果をまとめる。現地での史料・文献調査も合わせて行う必要がある。 大半の史料は未刊行史料であるため、史料の活字化と情報のデータ化を効率的に行い、Burgrechtをめぐる都市と周辺地域の関係性を明らかにしたい。 最終的には本研究を総合的に考察し、研究成果をまとめていきたい。
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