2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J10057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 俊樹 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化物融体 / 粘性 / 表面張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
高温・高反応性である溶融物の物性測定に必要なガス浮遊法測定装置を完成させ、実際に運用するところまで至っている。性能評価試験として行った溶融アルミナの測定では、過去の文献値と一致する値が得られており、十分に測定装置が機能していることが裏付けられた。本年度の研究では、作成した装置を用いて溶融ジルコニアの密度・粘性測定まで成功している。溶融ジルコニアについては融点が2700℃付近とかなり高温であり、特に粘性については実験による報告例が存在していなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高温かつ反応性が高い溶融物の物性測定に必要なガス浮遊法測定装置を完成させ、実際に運用するところまで至っている。性能評価試験として行った溶融アルミナの密度及び粘性測定では、過去の文献値と良く一致する値が得られており、測定精度に問題はないことが示されている。さらに、作製した装置を用いて溶融ジルコニアの密度・粘性測定まで成功している。溶融ジルコニアについては融点が2700℃付近と非常に高温であり、さらに蒸気圧が高いことから、物性測定は極めて困難である。そのため、これまでに密度の測定例が1件報告されているのみであり、粘性については実験による報告例が存在していなかった。近藤俊樹特別研究員は、装置の光学系の微調整や実験プロセスの改善を繰り返し、温度や蒸気圧の問題を克服することで溶融ジルコニアの物性測定に成功した。特に粘性については、本研究で得られた値が世界初の溶融ジルコニアの粘性の測定値の報告例ということになる。さらに本研究で確立された測定手法を用いれば、測定が困難で物性が知られていなかった他の溶融物の物性を明らかにすることができる可能性がある。このことから、今年度の研究成果は大きな意義を持つものであり、期待以上の成果が得られたものであると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当該装置を用いて物性が未知である放射性溶融物の物性評価を試みる。同時に、表面張力測定装置の開発を進め、溶融物性の解明に資する実験を進めていく。
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