2018 Fiscal Year Annual Research Report
Enhanced production of aquatic plant biomass via the design of co-existing bacterial communities
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18J10181
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石澤 秀紘 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 植物成長促進細菌 / ウキクサ / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
水圏の植物成長促進細菌であるAquitalea magnusonii H3が宿主に付着するメカニズムを明らかにすべく、遺伝子破壊株を用いた付着関連遺伝子のスクリーニングを行った。まず、ランダムにゲノム中1箇所に変異を導入したH3株を5万株含む破壊株ライブラリを作成した。また、この破壊株ライブラリを用いて、欠損していた遺伝子の種類とコウキクサへの付着効率の変化の関係を調べたところ、破壊株が得られた3661の遺伝子のうち188個について、欠損により有意に付着効率が低くなることが分かった。その多くは運動性、シグナル伝達、細胞外多糖の合成に関わるタンパク質をコードしており、これらの機能が植物への付着過程に重要な役割を果たすことが強く示唆された。逆に、23個の遺伝子は欠損により付着効率がかえって高くなる傾向を示していたことから、H3株のゲノム中には植物体への付着を抑制する働きを持った遺伝子も一定数存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H3株のゲノム全体をほぼ網羅する遺伝子について付着過程への関与を評価できており、水圏における植物ー微生物共生系の成立機構について大きな手掛かりを得ることができた。計画通り、次年度以降に各遺伝子機能に関する詳細な検討を行える状態になったことから、(2)おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた付着関連遺伝子について、その代謝経路上の関連を解析し、現状のデータから、特に重要と考えられる機能をピックアップする。これらにの機能に関する破壊株を作成し、個別にその特徴づけを行っていくことで、付着メカニズムの詳細を明らかにする。
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