2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Problem of Imagination on Jacques Derrida's works
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18J10264
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
小川 歩人 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | ジャック・デリダ / 想像力 / 現象学 / ドイツ観念論 / 精神分析 / 出来事 / 自伝 / 文学的理念性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、デリダ哲学における1960年代から1980年代にかけての現象学と精神分析読解の内的連関を解明し、デリダがいかなる「想像力」解釈から自身の哲学的立場を構成しているのかを明らかにすることである。本年度は、ジャック・デリダの想像力の主題系について1960年代から1970年代への移行に焦点をあてつつ、口頭発表、論文執筆および国内外での未刊行草稿の調査、発表をおこない、下記の通りの研究実績が得られた。 2018年5月23日にモントリオールで開催された国際学会Derrida Todayにて、生死講義をあつかった共同パネルに参加し、ニーチェ読解を軸に1970年代以降のハイデガー、ヘーゲル的な「存在の歴史」に対する抵抗として「自伝」という主題の解釈を提示した。当時未刊行であった生死講義パネルについては多くの注目が集まり、有益な議論をおこなうことができた。 2018年6月25日にサンパウロにおいて開催された国際学会Deleuze Conferenceにて、サルトル、デリダ、ガタリによるジュネ読解を想像力論の観点から比較検討をおこない、また、翌6月27日には同学会招へいパネル発表において、日本におけるポストモダニズム受容とその現代的展開について主体性という観点から発表をおこなった。 2019年3月5日にはパリ第10大学で開催されたシンポジウム「パサージュ・フィロゾフィック」において、1970年代の『理論と実践』講義におけるカント読解について発表をおこなった。ここでは、1960年代にハイデガーの「既在」に大きく触発された過去の主題から、1968年の「人間の目的=終焉」における人間学と既在の絡みあいに対する批判を経て、出来事の論理の練り上げの移行していくデリダのカント/ハイデガー解釈の変遷について検討した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)