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2018 Fiscal Year Annual Research Report

幼児・児童の概念的サビタイジングに着目した幼小接続期の実践とカリキュラムの開発

Research Project

Project/Area Number 18J10825
Research InstitutionKobe University
Research Fellow 中橋 葵  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
Project Period (FY) 2018-04-25 – 2020-03-31
Keywords概念的サビタイジング / 幼小接続期 / 数量・図形 / 数の合成・分解 / サビタイジング
Outline of Annual Research Achievements

概念的サビタイジング(具体物の数の集合について全体と部分の関係に着目することにより,瞬時に数を認識すること)は,幼小接続期の数の認識の発達と算数・数学の学びにとって重要な役割を果たす.幼小接続期の概念的サビタイジングの発達のプロセスを明らかにし,その発達を支える教育について検討することは,幼小接続期の豊かな数学的な認識の発達と算数・数学の学びにとって重要であるといえる.
本年度は,国立A大学附属幼稚園,大阪府内の公立小学校で5歳児と小学校第1学年の児童を対象に,概念的サビタイジングの実態調査を行い,概念的サビタイジングの発達のプロセスの解明を試みた.その結果,概念的サビタイジングは小さな数(1~3または4)のサビタイジング(数えることなく瞬時に数を認識すること)が前提となることが示唆された.さらに,国立A大学附属幼稚園では,5歳児クラスを対象に自由遊びの観察調査を行い,概念的サビタイジングに関連する事例を収集した.園内の環境や保育者による援助と幼児の姿を分析した結果,子どもは遊びを通して概念的サビタイジングに関連する事柄を経験していることが明らかとなった.また,大阪府内の公立小学校では小学校第1学年の児童を対象に「数の合成・分解」に関する質問紙調査を実施した.そこでは,概念的サビタイジングの能力と数の合成・分解の理解との関連が示唆された.特に,数7に対する概念的サビタイジングと7の合成・分解の理解は深い関わりにあることが示唆された.
しかし,概念的サビタイジングの実態調査の方法について,各課題の試行回数を増やす必要があるなど,専門家から指摘を受けた.調査データの精度を高めることは本研究課題の目的の達成にとって不可欠である.そこで,研究方法を見直した上で翌年度に改めて5歳児クラス在籍時から小学校第1学年にかけての調査を行うことが課題となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

概念的サビタイジングの発達のプロセスを探る中で,概念的サビタイジングは小さな数(1~3または4)のサビタイジングが前提となることが示唆された.また,幼児期の子どもは遊びを通して概念的サビタイジングに関連する事柄を経験していること,概念的サビタイジングの能力は数の合成・分解の理解と深い関わりにあることが示唆された.しかし,概念的サビタイジングの実態調査の方法については,各課題の試行回数を増やす必要があるなど,専門家から指摘を受けた.
上述のように本年度は,調査データの精度については課題が残ったといえる.調査データの精度を高めることは本研究課題の目的の達成にとって不可欠であり,研究方法を見直した上で翌年度に改めて5歳児クラス在籍時から小学校第1学年にかけての調査を行う必要があると考えた.そこで,「やや遅れている」との進捗状況であると判断した.

Strategy for Future Research Activity

概念的サビタイジングの実態調査の方法について,各課題の試行回数を増やす必要があるなど,専門家から指摘を受けた.調査データの精度を高めることは本研究課題の目的の達成にとって不可欠であるため,調査方法を十分に検討し,本年度に実施予定であった調査(国立A大学附属学校園での5歳児クラス在籍時から小学校第1学年時にかけての追跡調査)を翌年度に延期することとした.それに伴い,予定していた調査に関する成果の報告(国際学会での発表)についても翌年度に延期することとした.
調査方法を見直し,5歳児クラス在籍時から小学校第1学年時にかけての追跡調査を実施することにより,精度の高いデータに基づく幼小接続期の概念的サビタイジングの発達のプロセスの解明が期待される.また,発達のプロセスに基づいた幼小接続期のカリキュラムの開発を行うため,本年度に実施した観察調査の結果を踏まえて,幼児期の環境の構成や遊び,小学校第1学年の活動の検討を並行して行っていく.幼児期の環境の構成や遊びの検討にあたっては,本年度までに行っている自由遊びの観察調査のデータを再度分析し直すとともに,北陸地方および近畿地方の現職の保育者に協力を依頼し,質問紙調査を実施することを予定している.小学校第1学年の活動の検討にあたっては,幼児期の遊びに着想を得た活動の提案を想定しているため,幼児期の実践事例をもとにして活動案を作成する予定である.

Research Products

(3 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 幼児期の数学教育における「遊びを通しての指導」の再検討 -フロー理論に着目して-2018

    • Author(s)
      中橋葵,岡部恭幸
    • Journal Title

      数学教育学会誌

      Volume: 第59巻,第1・2号 Pages: 59-66

    • DOI

      https://doi.org/10.34323/mesj.59.1-2_59

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 幼小接続期の概念的サビタイジングの発達に関する研究-数の合成・分解の学びのプロセスに着目して-2018

    • Author(s)
      中橋葵,岡部恭幸
    • Organizer
      日本数学教育学会第51回秋期研究大会
  • [Presentation] 領域「環境」の保育者の援助について考える(1)-遊びにおける子どもの認識の質の高まりに着目して-2018

    • Author(s)
      中橋葵,岡部恭幸
    • Organizer
      日本乳幼児教育学会第28回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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