2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular characterization of compartmenting lamellae in comb plates of the ctenophore
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18J10941
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
城倉 圭 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 有櫛動物 / クシクラゲ / 繊毛 / 複合繊毛 / 軸糸 / 櫛板 / ダイニン / 運動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
クシクラゲの虹色に輝く櫛板(くしいた)は、数万本の繊毛が束化した巨大な複合繊毛である。繊毛同士はCompartmenting Lamellae(CL)と呼ばれる結合構造によって結合し規則的に整列している。CLは繊毛の同調的な運動維持に関与していると考えられているが、CLの分子実体については明らかになっていない。本研究の目的はCLの構成成分を同定し、櫛板の分子構築を解明することである。 今年度は前年度にCLの構成成分の1つとして同定した有櫛動物特異的な新規タンパク質CTENO64(テノ64)の機能を明らかにし、国際学術誌「Current biology」に出版した。また、櫛板におけるCTENO64の局在は他のCL構成分子の存在を示唆していたため、CTENO64を足掛かりとしたLC-MS/MSによる櫛板構成タンパク質の網羅的な解析を行った。その結果、櫛板内においてCTENO64とは完全に分かれた局在を示すCL構成タンパク質CTENO189を同定した。クシクラゲの受精卵にモルフォリノアンチセンスオリゴを顕微注入し、クシクラゲ幼生の櫛板においてCTENO189の機能阻害を行った。高速度カメラを用いた櫛板の運動解析の結果、一般的な繊毛運動で観察される非対称的な波形(推進力を生み出す有効打と粘性抵抗の少ない回復打)が失われ、精子の鞭毛運動で観察されるような対称波に変化することがわかった。また櫛板の透過型電子顕微鏡観察によって、CTENO189を阻害した櫛板ではCLが完全に消失してしまっていることが明らかとなった。これらの結果はCTENO189がCLの主要な構成タンパク質であることを示しており、CLは櫛板の非対称的な波形を維持することで、水流を発生させるための重要な因子であることが示唆された。これらの結果はすでにいくつかの学会等で発表を行い、現在論文投稿準備中である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)