2019 Fiscal Year Annual Research Report
〈意味産出としてのリズム〉分析手法の確立-メショニックのリズム論を中心に
Project/Area Number |
18J11093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 俊吾 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | リズム / メショニック / 韻律分析 / テクスト分析 / 詩学 / 詩法 / マラルメ / ツェラン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行ったメショニックの全著作の網羅並びに彼の分析技法の批判的検討を踏まえ、今年度は最近の韻律学・リズム論研究を用いたメショニックのリズム分析手法の改良を行った。この結果、これまで可視化されてこなかったフランス詩におけるリズム要素を十分に分析できるようになった。分析に想定以上の時間がかかったため、解析作業を効率化していくことが今後の課題として残されたが、フランス語を母語としない学習者でも認識可能なリズム要素の可視化モデルの方向性を一定程度以上示すことができた。 具体的には本研究は以下の二つの作業を経て達成された。 1. 「メショニックの詩分析手法の改善:パウル・ツェランのドイツ詩における「単音節」の分析を通じて」:メショニックのツェランの詩分析手法における不十分な点を指摘し、分析手法を再検討することで改善を図った(2019年4月-9月) 2. 「補強された分析手法の適用:ステファヌ・マラルメのソネにおけるリズム要素の再分析」:改良されたメショニックの分析手法を実際の詩作品の分析に用いることで新たな読解可能性を示した(2019年9月-3月) 上記二つの作業によって、メショニックのリズム分析において不十分な点を洗い出すことができ、また複数の詩作品で、これまで注目されてこなかった効果を浮き彫りにすることができた。これにより、新たな角度からの読解可能性を示すことができた。しかし、個々の事例の分析には想定していた以上に多くの時間を要した。詩作品中の全アクセントの連続や子音の反復といったリズム要素のスクリーニング作業はすべて手作業で可視化していく必要があったためである。より多くの事例に適用できる分析モデルを提示するためには、解析作業の分担ないしは解析ツールの開発を行うことが今後の課題として残された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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