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2018 Fiscal Year Annual Research Report

電力のパケット化によるデマンドレスポンスを考慮した給電ネットワークに関する研究

Research Project

Project/Area Number 18J11530
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

持山 志宇  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2018-04-25 – 2020-03-31
Keywords電力パケット / デマンドレスポンス / マニピュレータ
Outline of Annual Research Achievements

デマンドレスポンスを考慮した給電システムについて,電力パケットに基づく給電ネットワークと負荷とのインターフェイスとなるシステムの構築に取り組んだ.まず,従来信号の量子化に用いられてきたパルス密度変調を応用することで,電力パケットによる負荷駆動システムを開発した.さらに,それらサブシステムの自律分散動作のための枠組みを構築した.提案手法の検証として,サブシステムが多自由度マニピュレータの各モータに適用される場合の協調動作について検討し,給電ネットワーク内の電力パケットを融通しながら全体として所望の軌道追従を達成できることを実験により示した.
さらに,上記システムの社会実装に向けた取り組みとして,システムの産業用途レベルの電力容量までの拡張を行った.FA機器等に用いられるマニピュレータを想定した,kWオーダの出力をもつモータを含むより一般的な負荷をあつかうことのできる電力パケット伝送回路の開発を行った.これまでの検討では,電子回路の域を出ない範囲の電力レベルで電力パケット伝送が検討されてきたが,本結果は産業用途レベルの定格において電力パケットの時分割多重による伝送が可能であることを初めて実験により示した.
ここで,以上の検討を通じて,電力パケットに基づく間欠的な負荷制御においては,動作対象が本来もつダイナミクスをうまく捉え,それを可能な限り利用することが重要であることが示唆された.その実現に向けた一例として,パケット化された入力によるロボットの歩容形成について検討を行った.受動歩行を模したエネルギーベースト制御に着目し,パケット入力により平地における歩容形成が実現できる可能性を数値計算により示した.
これらの結果は,電源側の供給能力とモータを始めとする動的な負荷の要求との両者を考慮した,デマンドレスポンスにもとづく給電ネットワークの構成のために欠かせない要素技術である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

電力パケットによる負荷制御という,これまでに無い概念について,ハードウェアの作成からソフトウェアの設計と実装までを統合して実現した.従来パワーの分野ではほとんど顧みられてこなかったパルス密度変調に着目し,画期的なシステムの構築に成功した.さらに,当初の計画では明らかでなかった,提案システムの産業用機器への適用のための課題を洗い出し,その克服のためのシステム設計およびその実験による検証を行った.加えて,当初の計画をさらに発展させた検討のひとつとして,ロボットのダイナミクスを積極的に利用した,電力パケットに基づく制御の実現可能性を示した.この結果は,次年度の検討に向けた大きな足がかりとなる.
以上を踏まえ,本研究は当初の計画以上に進展していると判断する.

Strategy for Future Research Activity

今年度の検討を通じて,電力パケットに基づく間欠的な負荷制御においては,動作対象が本来もつダイナミクスを可能な限り利用することが重要であることが示唆された.次年度はこの知見を踏まえながら,当初予定通り,電力パケットに基づくシステム内エネルギー分布の制御について検討を行う.ここで具体的な対象として,未知の環境下で動作する歩行ロボットを設定する.電力パケットを単位とし,給電ネットワーク内のエネルギーの時空間分布を動的に制御することで,ロボット動作の創発を実現する.このとき重要となるのが,今年度の検討で得られたサブシステム間協調システムの一般化である.サブシステムの協調動作に基づく,システム全体のエネルギーの分散と集中の制御により,対処可能な環境変化の範囲とパフォーマンスとのトレードオフを考慮する.これにより,電力のパケット化に基づく,エネルギーとエントロピーを考慮した給電ネットワークの設計指針を与える.

  • Research Products

    (5 results)

All 2019 2018 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] KTH Royal Institute of Technology(スウェーデン)

    • Country Name
      SWEDEN
    • Counterpart Institution
      KTH Royal Institute of Technology
  • [Journal Article] Packet‐based feedback control of electrical drive and its application to trajectory tracking of manipulator2019

    • Author(s)
      Mochiyama Shiu、Hikihara Takashi
    • Journal Title

      International Journal of Circuit Theory and Applications

      Volume: 47 Pages: 612~632

    • DOI

      10.1002/cta.2603

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Experimental implementation of power packet density modulation to close-loop control of manipulator2018

    • Author(s)
      Mochiyama Shiu、Hikihara Takashi
    • Organizer
      24th International Symposium on Power Electronics, Electrical Drives, Automation and Motion (SPEEDAM2018)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 電力パケット給電によるロボットの歩容形成に関する一検討2018

    • Author(s)
      持山 志宇、引原 隆士
    • Organizer
      2018 年 電 子情報通信学会 NOLTA ソサイエティ大会
  • [Presentation] 電力パケットによる電力の論理演算に関する実験的検討2018

    • Author(s)
      稲垣 翔太、持山 志宇、引原 隆士
    • Organizer
      平成 30 年電気関係学会関西連合大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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