2019 Fiscal Year Annual Research Report
ジャン=ポール・サルトルにおける「約束された地」としての文学論
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18J11598
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関 大聡 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | サルトル / ジャン=ポール・サルトル / 実存主義 / 言語 / 想像力 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度からの研究成果から、サルトルの文学論の体系化および文学史的位置づけを明らかにするためには、言語論が重要であることがわかってきた。そのため本年度の研究では、近年刊行されたサルトルの初期想像力論(高等教育修了論文)を中心に、サルトルの想像力論における言語の問題を中心に検討した。 まず、この想像力論研究に際しては、現象学以前/以後のサルトルの独自性を、フッサールの貢献およびフランス言語学(ソシュール、メイエ等)との関係から明らかにすべく、文献調査を行なった。このとき、未刊行の手稿にもアクセスし、サルトルの着想源を詳細に突き止めた。さらに、こうした言語論の問題系への関心を共有するフランス・ベルギーの若手研究者たちとリエージュ大学(ベルギー)で研究集会を行ない、これは共同研究として発展させる予定である。また想像力、言語、思考の関係を主題とする論文を独自に用意しており、これも投稿予定である。 上記の作業に並行して、後期サルトルの著作、とりわけ『弁証法的理性批判』と『家の馬鹿息子』に関する精読と解釈を行なった。後者は晩年のサルトルの文学理解を詰め込んだ大著であり、前述の想像力論を理論的に展開し直した著作としても知られている。前期に行なった言語論、想像力論の研究を支えとして、これらの著作をサルトルの思索における一貫した展開として記述することを目指した。 研究課題が拡張したため、当初の予定とやや異なる研究・調査を行なう必要に迫られた。その結果、今年度中の博士論文の完成には至らなかったのは残念であるが、成果としては充分満足できるものだった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)