2018 Fiscal Year Annual Research Report
抗体レパトア解析によるインフルエンザワクチン有効性発現機構の解明
Project/Area Number |
18J11822
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
佐野 芳 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | インフルエンザ / ワクチン / 抗体 / 抗体遺伝子 / 抗体レパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、インフルエンザウイルス広域中和抗体の誘導効率がワクチン接種ルートにより異なるという今までに得られている観察結果をもとに、皮下接種ワクチンと経鼻ワクチンにより誘導される抗体の機能および遺伝子的特徴の相違を解析することを目的に、皮下接種ワクチンおよび経鼻ワクチンの接種者から得られた抗体のうち、複数のHA抗原との結合性が認められた、交差結合性クローンについてより詳細な機能解析を行った。まず、交叉結合性クローンがウイルスの細胞への感染性を低下させる能力、ウイルス中和能があるかを検証し、HI(Hemagluttinin Inhibiton)試験により、得られた交差結合性クローンがHA上のレセプター結合サイト(ウイルスがターゲット細胞に侵入する際に必須となる領域)と結合し、ウイルスの細胞への結合・感染を阻止できるか否かを評価した。その結果、皮下接種ワクチンと経鼻ワクチンにより誘導された広域結合性抗体には機能的な差があることが分かった。この機能の差が、抗体をコードする遺伝子の差に由来するものかどうかを評価する為に、抗体の遺伝子配列の解析を行った。ワクチン接種者から単離された形質細胞から得られた全抗体遺伝子をダイレクトシークエンスし、得られた抗体遺伝子配列の遺伝子的特徴(由来遺伝子座や変異率)をIgBLASTにより同定した。また、ワクチンにより誘導された抗体集団をより網羅的に捕捉・解析を行うために、ワクチン接種者の末梢血単核球由来抗体遺伝子の次世代シークエンサーを用いた抗体遺伝子レパトア解析の実験系を立ち上げ、現在解析を進めている途中である。今後は今回の研究により得られた抗体それぞれの遺伝子的特徴とその機能・結合部位との関連が見られるか、さらにはワクチンで誘導された抗体レパトアにどのような特徴が認められるかについて評価していく予定である。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)
-
-
[Presentation] 経鼻ワクチンにより誘導された抗インフルエンザHAステム抗体のウイルス感染防御機構2018
Author(s)
佐野芳, 齊藤慎二, 小谷治, 相内章, Elly van Riet, 田畑耕史郎, 高橋宜聖, 横山勝, 佐藤裕徳, 鈴木忠樹, 長谷川秀樹
Organizer
第22回日本ワクチン学会学術集会
-
[Presentation] Analysis of escape mutant viruses of an intranasal influenza vaccine-derived broadly neutralizing antibody clone2018
Author(s)
Sano K, Saito S, Kotani O, Ainai A, van Riet E, Tabata K, Takahashi Y, Yokoyama M, Sato H, Suzuki T, and Hasegawa H
Organizer
第66回日本ウイルス学会学術集会