2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18J11842
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
相野 眞行 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | Laplacian / Riemann多様体 / 球面定理 / Gromov-Hausdorff距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度における研究成果は,主に以下に述べる2つである. 【1】正のRicci曲率を持つRiemann多様体おける比較定理として,関数に作用するLaplacianの固有値に関するLichnerowicz-小畠の定理が古典的に知られており,不等式の等号条件が標準球面を特徴づけている.この等号条件のオールモスト版はPetersenらにより調べられていた.一方で「Riemann多様体において,Hessianを含んだある微分方程式の解が存在するのは標準球面に限る」という小畠の定理そのものには正のRicci曲率の仮定が不要であることを踏まえ,当該年度においてはそのオールモスト版について,正のRicci曲率を仮定せず,Ricci曲率の負でもよい下からの評価と直径の上からの評価のもと研究を行い,球面的懸垂や標準球面とのGromov-Hausdorff距離を評価した.また,その結果をEuclid空間にはめ込まれた余次元1のほぼ臍的な部分多様体の研究に応用した.以上の結果はarXivにおいてarXiv:1808.05317として公開し,現在投稿中である. 【2】平行な微分形式が存在する場合の,Laplacianの固有値に関するLichnerowiczの不等式の改善がGrosjeanにより得られていたが,当該年度の研究においてほぼ平行な微分形式が存在する状況で同様の不等式を得た.またその不等式のほぼ等号条件に関連した研究も行い,あるピンチ条件下において標準球面とコンパクト距離空間の積からなる空間とのGromov-Hausdorff距離の評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
球面の特徴づけのオールモスト版に関する成果として【1】で挙げたものが得られた一方で,【2】で挙げたような,当初予期していなかったほぼ平行な微分形式に関する研究も進んだため.
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目の研究として当初予定していた,小畠の定理よりも仮定の弱い,田代の定理のオールモスト版についての研究を行う一方で,初年度目の研究で得られたほぼ平行な微分形式についての結果に関して更なる発展が期待できるので,その方向でも研究も推し進める.
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Research Products
(2 results)