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2018 Fiscal Year Annual Research Report

カルシウムシグナルによるDNAメチル化調節機構の提唱

Research Project

Project/Area Number 18J12083
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

喜多 絢海  大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2018-04-25 – 2020-03-31
Keywordsエピジェネティクス / DNAメチル化 / カルシウムシグナル
Outline of Annual Research Achievements

遺伝子の発現制御機構の一つにDNAメチル化修飾がある。DNA脱メチル化を誘導する酵素群として、TETファミリータンパク質(TET)が知られている。申請者はこれまでに、Calmodulin(CaM)がCa2+依存的にTETの活性を亢進させることを明らかにした。これは、Ca2+シグナルによるDNAメチル化調節を介した新規遺伝子発現制御機構の存在を示唆している。本研究では、Ca2+シグナルに依存する中枢神経系の分化発生過程に対し、CaM-TET相互作用がどのような影響を与えるかついて、CaMによる活性化能を失った変異型TETを発現するES細胞の分化実験により解析する。これにより、生体内でのCa2+シグナルによるDNAメチル化調節メカニズムの提唱を目指す。
まず、CaM結合能を欠損させたTET変異体の作製を試みたが、CaMとの結合能が消失しつつ、かつ、良好に発現する変異体の作製には至らなかった。一方で、CaMによるTETの活性亢進作用の詳細な分子メカニズムについての解析結果より、Ca2+/CaMがTETのアセチル化を増加させることでTETの活性を亢進させることが明らかとなった。そこで、CaM結合能欠損TET変異体に代わり、生理的に同等であると考えられる非アセチル化変異体の作製を行うことにした。また、ES細胞およびマウス個体での解析に向けて、変異体の活性評価を細胞外実験系だけでなく、細胞内実験系でも評価する必要性があると考え、細胞内でのTET活性評価系の構築を行った。また、研究遂行過程において、Ca2+シグナルによる一過的な遺伝子発現調節機構へのCaM-TETの関与を強く示唆する結果が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画当初利用する予定であったCaMとの結合能を失ったTET変異体だが、生理的条件下で結合能が十分に失われていないことが明らかとなった。そこで、新たに別のCaM結合能欠損変異体の作製を試みたが、期待した変異体の作出には成功しなかった。以上から、CaM結合能欠損TET変異体を発現するES細胞の作製が計画当初の予定より遅れている。
一方で、研究遂行過程において、Ca2+/CaMがTETのアセチル化を亢進させることでTETの活性を上昇させることが明らかとなった。よって、現在、CaM結合能欠損TET変異体と生理的に同等であると考えられる、非アセチル化TET変異体の作製を進めている。

Strategy for Future Research Activity

Ca2+/CaMによるアセチル化能欠損TET変異体を発現するES細胞を樹立する。樹立したTET変異体発現ES細胞を利用して、CaM-TET相互作用がES細胞から神経系列細胞への分化に与える影響を解析する。また、研究遂行過程において、神経活動や筋収縮などCa2+シグナルによる一過的な遺伝子発現調節機構へのCaM-TET相互作用の関与を強く示唆する結果が得られた。そこで、培養細胞における神経活動もしくは筋収縮の模倣モデルを利用し、Ca2+/CaMによるアセチル化能欠損TET変異体を用いて、CaM-TET相互作用が一過的な遺伝子発現調節に与える影響について解析する。以上の解析から得られた結果より、CaM-TET相互作用の遺伝子発現調節機構への関与を明らかとし、生体内でのCaM-TET相互作用の意義づけを行う。

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Published: 2019-12-27  

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