2018 Fiscal Year Annual Research Report
ヤーン・テラー効果とスピン軌道相互作用によるスピネルフェライトの磁気異方性増大
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18J12106
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
HAWA ALIMA BINTI ABDUL LATIFF 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | ヤーン・テラー効果 / 保磁力 / 磁気弾性効果 / 磁気異方性 / スピネルフェライト / 磁性微粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、Cu2+のヤーン・テラー効果とCo2+の磁気弾性効果による磁気異方性増大に関しては、磁気弾性の現象論に基づいて検討をおこなった。(Cu,Co)Fe2O4微粒子の磁気異方性においては、結晶歪(c/a -1)と実効的な磁気弾性定数(B1)が相関関係にあることを示すことができ、ヤーン・テラー効果と磁気弾性効果の結合を示唆した。この結果について、ICM 2018において口頭で発表した。 次に、(Cu,Co)Fe2O4微粒子の保磁力について、正方晶と立方晶の試料において結晶歪や磁気異方性と保磁力の関係を検討した。保磁力の温度依存性について解析を行い、磁化反転機構解析に用いられるマイクロマグネティックモデル(MM)及びグローバルモデル(GM)に適応した。後者の結果から結晶歪のほかに、粒子間相互作用も磁化反転に影響すると考えられ、この結果についてINTERMAG 2018にて口頭で発表した。 正方晶化の試料では低温での保磁力の低下が観測され、現に提案されているいずれのモデルでも説明ができない。そこで、GMで確認された低温におけるモデルへの不一致性を考慮し、局所的な発熱の影響を取り入れた拡張GMを検討した。具体的に、磁気余項測定の測定温度が実温度と比べて20Kほど高温側にシフトしていることを見出した。さらに、実温度Tとして、T+20Kの実効的な温度をを用いるとGMが低温においても保磁力を説明することができた。この結果は、磁化反転に伴う局所的な温度上昇が(Cu,Co)Fe2O4の磁化反転機構の理解に不可欠であることを示した。 保磁力の解析実験について、仏国ネール研究所において磁気予項測定を行い、その結果と解析に基づいて保磁力解析の専門家であるGivord博士とディスカッションをすすめた。 上記の研究成果の総括は学位論文として纏めて2019年2月に発表した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)