2019 Fiscal Year Annual Research Report
重力レンズ効果と次世代宇宙望遠鏡でさぐる宇宙再電離
Project/Area Number |
18J12840
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 崇史 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 低金属量 / 機械学習 / ブラックホール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初期宇宙の大多数を占めていたと考えられる小質量銀河についての初期調査を進めた。中でも、初期宇宙の小質量銀河と似た性質を持つ、「極金属欠乏銀河」と呼ばれる近傍宇宙で見られる銀河を詳細に調査した。この極金属欠乏銀河は、銀河形成のメカニズムや形成最初期の銀河進化の様子を知る上で重要な銀河種族である。昨年度の観測成功に引き続き、本年度の主な成果は以下の通りである。 [成果1] プロジェクトの探査概要に関する論文(Paper I)を執筆し、査読論文誌に投稿した。Paper Iでは、従来報告されてきたどの銀河よりも金属量の低い(1.6%太陽金属量)銀河の発見を報告するという、記録的な成果を挙げている。 [成果2] 2本目の論文(Paper II)を執筆し、投稿した(投稿自体は2020年6月)。銀河星間ガスの元素組成比と電離光子源について調査・検討し、(発見1)鉄元素が著しく増加していること、(発見2)高電離光子の指標であるヘリウム輝線が著しく強くなっていることを発見した。これらの結果は、従来のモデル(100太陽質量より軽い星しか想定してこなかった)では説明できないことが明らかになった。そこで本研究では、形成初期の銀河では、300太陽質量を超える超大質量星が過去に存在していたとすれば説明がつくことを、世界に先駆けて指摘した。300太陽質量を超える超大質量星は、これまで見逃されてきた中間質量ブラックホール(100太陽質量を超えるブラックホール)の起源である可能性があるため、業界にとってもインパクトのある指摘となる。 また、観測提案書を共同研究者と協力して提出し、本年度はケック望遠鏡、なゆた望遠鏡、西はりま望遠鏡、すばる望遠鏡、欧州超大型望遠鏡での観測を実行するなど、本研究をさらに発展させるための足がかりをつくることもできた。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)