2019 Fiscal Year Annual Research Report
ガ類における近縁種の性フェロモンによる誘引抑制機構の解析
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18J13879
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
韮澤 拓也 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 性フェロモン / エビガラスズメ / 細胞内記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
エビガラスズメの触角葉投射神経において細胞内記録を行った。 座標変換技術を用いることにより、異なる個体から得られた細胞の3次元形態データを定量的に比較することを可能とした。同一の個体から性フェロモンと近縁種の性フェロモンをそれぞれ処理する投射神経のデータを取得することは非常に困難であるため、異なる個体のデータを詳しく比較するのは重要である。この座標変換技術により、性フェロモンと近縁種の性フェロモンをそれぞれ処理する投射神経の投射パターンが有意に異なっていることが明らかとなった。 続いて、エビガラスズメと比較的近縁な、カイコガBombyx mori の性フェロモンと近縁種の性フェロモンをそれぞれ処理する投射神経の投射領域についても同様に座標変換技術を用いて比較を行ったところ、投射パターンは有意に異なっており、その差異はエビガラスズメと類似していた。 このことから、2次中枢への投射パターンによって性フェロモンの選好性が決定されていることが示唆された。これは、受容体などの末梢の変化だけでなく、中枢神経の投射パターンの変化によっても選好性の変化が起こりうることを示す知見であり、ガ類の性フェロモン交信系の進化のプロセスにおける新たな仮説を提唱するものである。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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