2019 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体の可変大容量キャパシタを利用したエレクトレット振動発電素子の開発
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18J14159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 智華子 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | エレクトレット / 低消費電力 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、カリウムイオンエレクトレットの応用先として面外方向に動作する振動膜で構成した静電駆動マイクロアクチュエータを取り上げ、シリコンマイクロマシニング技術を用いて製作する方法を考案し、デバイスの試作と特性評価を行った。昨年度作製したエレクトレット積層型のデバイスはエレクトレットチップをデバイスとは別に作製して積層するため、エレクトレット化のプロセスが容易ではあるが、振動膜とエレクトレットの間のギャップ制御や位置合わせを必要とした。そこで今年度は、SOIウエハから作製したデバイスの内向面にあたる1~2μmの狭ギャップ部分にエレクトレットを形成するエレクトレット一体型のデバイスに取り組んだ。LOCOS法を利用したプロセスにより作製したエレクトレット一体型の振動膜アクチュエータの挙動を確認したところ、エレクトレットが振動膜と対向電極との間に-40V分の電位差を形成したことが静特性ならびに動特性から確認できた。つまり、バイアス電圧を印加せずに信号電圧のみで駆動しても、エレクトレットにより静電変位が増大し、40Vのバイアス電圧を印加したときと同じ出力が得られることを示した。 また、今年度はエレクトレット材料をMEMS静電アクチュエータに応用する際の理論の構築も行った。平行平板アクチュエータにエレクトレット膜を形成した際に対向電極との間に生じる静電引力を計算し、LTspiceモデルを作成してその挙動を検証した。これにより、エレクトレットが外部DC電圧と等価の電位を対向電極との間に形成し、静電変位を増大する効果があることを確認できた。また、デバイスの動特性に影響する共振周波数や、エレクトレット化プロセスの際に把握しておく必要のあるプルイン電圧に関しては、設計指針を検討するとともに、有限要素法を用いた物理シミュレーションソフトウェアであるCOMSOLを用いて具体的な値を確認した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)