2018 Fiscal Year Annual Research Report
タンザニアの中等学校におけるシティズンシップ教育 -アフリカ的共同体論に着目して
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18J14587
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佃 瞳 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | タンザニア / シティズンシップ / 中等学校 / インフォーマル教育 / 共同性 |
Outline of Annual Research Achievements |
論文の調査の為に2度、計5カ月に渡ってタンザニア・ダルエスサラームに滞在し、必要なデータの収集を行った(2018年4月‐6月、2018年10月‐12月)。調査許可の取得等のために現地研究者や学生が協力してくれたために、多くの時間を要することになったものの、現地行政機関とは円滑なコミュニケーションをとり、良好な関係性のもの調査を実施することができた。滞在中は市内の私立・公立それぞれ複数の中等学校に訪問し、教育活動の様子を参加観察するとともに校長・教員・生徒・保護者など関係者からの聞き取りを行い貴重な情報を収集した。調査対象は主にダルエスサラーム地域の中でも比較的成績の優秀な学校であった。公民を中心とした授業の観察に加えて、課外活動として扱われるクラブ活動・生徒会活動等を観察することができた。アフリカ教育研究の分野では主に教育成果・成績等に注目が集まる中で、生徒の自主性を重んじる活動に着目する興味深い研究であると考える。
その成果の一部を英国バーミンガムで開催された英国アフリカ研究学会大会にて口頭発表を行った(2018年9月11日)。発表者数が800を超える非常に大きな学会大会であり、特に人類学的研究が多く、有意義な意見をもらうことができた。また、タンザニア、バガモヨ市で開催されたダルエスサラーム大学、ザンジバル大学、オスロー大学共催のワークショップにおいても発表した(2018年11月21日)。主に生徒のドロップアウトの問題に取り組むワークショップであったが、現地研究者との意見交換を通じて研究を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査のためにタンザニアへ入国したのち、実際に学校を訪問し聞き取り調査を実施するまでに予想以上の時間を要した。行政手続きが複雑なうえ、担当者不在、面会予約の突然のキャンセル、必要書類の急な変更など、さまざまなトラブルにみまわれ、準備に時間を要した。予定では2018年度中の2度の現地調査で十分なデータを収集できるとしていたが、現地での準備時間の延長を受けて、再度2019年度中にデータ収集の為現地を訪れる必要が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究予定は以下の通り。 4月‐5月:投稿論文の執筆、および第3回調査の為の調査許可等、行政手続き準備、6月‐8月:3回目のフィールド調査を実施、9月‐2月:投稿論文および博士論文の執筆、3月:博士論文草稿書き上げ
前年度の反省を活かし、現地にて調査協力者に行政手続きの補佐を依頼。渡航前までに手続き可能なものについては事前に手続きをする。
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Research Products
(1 results)