2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J14712
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
峯田 晋史郎 早稲田大学, スポーツ科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 足関節内反捻挫 / リスクファクター / キネマティクス / 膝関節内転 / 骨盤回旋 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の研究は、足関節内がえし捻挫(LAS)受傷時の特徴である“外側荷重圧の増大”及び“足圧中心(COP)の外側変位”が受傷リスクとなるかを明らかにするための前向き研究である。 当初の仮説とは異なり、“外側荷重圧の増大”及び“足圧中心(COP)の外側変位”はLAS受傷リスクとはならなかった。だが、“接地後の骨盤の支持脚側への回旋及び膝関節内転増大”がLASの受傷リスクであることが明らかになった。 本結果が得られたのはLASの受傷メカニズムに基づいたリスクファクターの検討を行ったためであると考える。LASは着地や切り返し動作などの高強度動作時の接地後200ms以内に生じる傷害である。しかしながら、これまで明らかにされてきたリスクファクターはバランス課題のような低強度動作で、数十秒の測定区間で評価されてきた。すなわち、これまでは受傷リスクと受傷メカニズム間に大きな乖離が存在しており、受傷メカニズムに基づいたリスクファクターは不明だった。本研究はこの乖離を埋める初の研究であり、加えて、そのリスクの程度もこれまで明らかにされてきたリスクファクターと比べても大きなものであった。(従来:ハザード比[HR] = 1.04-1.06, odds比[OR] = 1.2-4.0, 本研究:HR = 1.20-2.04, OR = 17.4-46.4) すなわち本研究によってはじめて受傷メカニズムに基づいたリスクが明らかになり、より効果的な再発防止プログラムの構築が可能になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では現時点で1、着地動作のリスクファクターの解明 2、1の研究で明らかに」なったリスクファクターを引き起こす要因を解明する研究を始める という計画であった。 しかし現時点で着地動作だけでなく切り返し動作のリスクファクターも解明し、2の研究も50名程度は計測済みである。この50名のデータから膝関節や股関節のアライメントや筋機能も評価する必要性が示唆された。十分追加解析可能な時期なので今後追加解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、研究2のリスクファクターを引き起こす要因の解明をある程度進めることが出来たが、追加解析を行う可能性が示唆された。 研究①で当初は足関節の挙動がリスクになると仮説を立てていたため、研究②の測定項目も足関節に着目したものだった。しかしながら膝関節および骨盤の挙動がリスクとして抽出されたことから、骨盤や膝関節のアライメント、周囲の筋機能も測定する必要性が示唆された。 そこで追加の測定項目として1、大腿骨捻転角 2、Quadriceps 角(Q-angle) 3、大腿脛骨角 4、反張角 5、骨盤前傾角 6、脛骨捻転角 を追加で計測しより包括的な測定を行う。
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