2018 Fiscal Year Annual Research Report
実時間追跡と実時間投影を用いた球体型インタラクティブディスプレイに関する研究
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18J14743
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮藤 詩緒 東京工業大学, 情報理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 球体型ディスプレイ / 全天周画像 / 全周囲プロジェクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は球体型インタラクティブディスプレイの実装、応用システムの実装を行った。 ディスプレイの実装には、複数の外部プロジェクタから球体型のデバイスへ実時間追跡実時間投影を行う手法を用いた。また、球体型デバイスへのタッチ入力や回転の検出は、デバイスの周りを静電容量計測パネルで覆い、内部にIMUセンサを組み込むことで実現した。そして、球体型デバイスの操作方法を一貫させるために、「回転」「投げ」「バウンド」等の球体型インタラクティブディスプレイ特有のインタラクション手法を提案し、それらを用いたアプリケーション実装を通し、球体型インタラクティブディスプレイの有用性を示した。 また、球体型インタラクティブディスプレイの利点である、全天周画像を歪みのない状態で表示することが可能である、回転の動きを操作手法として使用することが可能である、という点を活かし、全天周カメラとの組み合わせによる遠隔通信システムへの応用を行った。遠隔通信システムへの応用のためのハードウェアは、回転可能な球体型ディスプレイの上に全天周カメラを搭載することで実装した。顔の検出やタッチ検出を上部の全天周カメラから行うことで、インタラクションを付与した。また、ディスプレイの回転操作によって、自身の観察位置だけでなく、相手の視点を誘導することが可能となった。このシステムを用いた被験者実験を行い、複数人での遠隔共同作業支援にも有効であることが明らかになった。 以上により、全天周画像表示における球体型インタラクティブディスプレイの有用性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
球体型インタラクティブディスプレイの実装が終了し、2年目に予定していた遠隔共同作業への応用まで進めることができた。ここまでの研究結果をまとめた国際論文、ジャーナルも提出済みであるため、本研究は当初の計画以上に進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、既存の球体型ディスプレイに存在した全天周画像中の観察範囲制限を、ユーザにディスプレイを回転させることで解決した。今後の研究では、ここまでの球体型インタラクティブディスプレイと同じく球体面を用いた、半球面ディスプレイを実装し、全天周画像全体を俯瞰できるようなディスプレイを実現する。また、全天周画像の視認範囲に関して、被験者実験を行う。 最終的に、全天周画像表示に適した表示手法やディスプレイをまとめるため、本年度の研究で実装した球体型インタラクティブディスプレイを含めた既存ディスプレイとの比較実験を行い、結果を国際学会で論文として報告する。
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Research Products
(7 results)