2019 Fiscal Year Annual Research Report
高度不飽和脂肪酸(PUFA)を含むリン脂質の細胞機能解明
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18J14999
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 友理 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | PUFA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、私は哺乳動物細胞におけるPUFAの機能を解明する目的で、ヒト網膜色素上皮細胞 (ARPE19)細胞を用いて、PUFAを欠乏する培養細胞(PUFA欠損細胞)を作製した。更に、この細胞の形態を走査型電子顕微鏡で観察したところ、細胞膜直下のアクチン骨格が脱重合することにより生じる細胞膜ブレブが発生していることを見出していた。細胞膜直下のアクチン重合は膜リン脂質ホスホイノシチド(PIPs)の一種であるPI(4,5)P2により制御されることが知られている。そこで、PUFA を持つ PI(4,5)P2 を PUFA 欠損細胞に取り込ませたところ表現型が回復した。続いて、PI(4,5)P2 を認識してアクチン重合を促進する分子をスクリーニングした結果、細胞接着斑構成蛋白質の一種であるvinculinの機能にPUFA含有PI(4,5)P2が必要不可欠である事が強く示唆されていた。 本年度の研究で、PUFA含有PI(4,5)P2特異的に結合することが示唆されたvinculinに関して更なる解析を進めた。リン脂質と膜骨格タンパク質から構成され二重膜構造をとるnanodiscとNMRを用いて、PUFA含有PI(4,5)P2のPUFAと相互作用し得るvinculinのアミノ酸残基を同定することを目指し、PI(4,5)P2を含むnanodiscとvinculinのリコンビナントを結合させた時の化学シフト値変化を測定した。結果、C末端にある特定のアミノ酸数残基がPUFA含有PI(4,5)P2結合に関与することが示唆された。更にPI(4.5)P2中のPUFA特異的に相互作用すると考えられるアミノ酸残基を変異させたvinculinは、vinculin欠損時の細胞膜ブレブ形成を抑制しなかった。以上の結果から、vinculin C末端部位はその機能に重要な役割を持つことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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