2019 Fiscal Year Annual Research Report
セネガル・ムリッド教団における「労働の教義」の解釈:言説と実践の分析から
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18J15050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池邉 智基 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | セネガル / イスラーム / ムリッド教団 / バイファル / 口頭伝承 / 宗教実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、セネガル共和国に存在するイスラーム神秘主義教団であるムリッド教団の「労働の教義」が、都市や農村で生活する信徒らによっていかに解釈され、実践されているかを明らかにすることである。令和元年度は、2019年8月~12月にセネガル共和国ダカール州を中心にフィールド調査を実施した。 2019年の調査では、ダカール州各地で開催される祭事や、サンルイ市、トゥーバ市などで開かれた祭事を観察した。特に祭の中で行われる演説/説教であるワフターンを録音・録画し、調査助手と共に文字起こしをした。その結果、次の2つのことが明らかになった。1点目には、祭では常に「ジヤーレ」という訪問を慣習的に行っており、そこで祭事で消費する食品や物品、家畜などが、導師のいるモスクまで運ばれることがわかった。次に、その訪問における説教では、教団の階層構造に従って、説教を行う人物によって発話や引用の形式が異なることがわかった。 本研究は、セネガルの民衆レベルの宗教実践を観察し、人々の生活と宗教的なつながりについて明らかにするものであるが、今回の渡航ではより広範囲に信徒たちと信頼関係を築くことができ、聞き取り調査も順調に実施できた。さらに、前年度に行った、東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所で開かれたシンポジウム「西アフリカ・イスラーム研究の新展開」成果として、『年報人類学』で共著論文2本と、単著論文1本の投稿をし、掲載が確定した。さらに2016年度から西アフリカ最古の歴史書『スーダーン年代記』の翻訳作業も共著で作業を続けており、投稿に向けた準備を進ている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)