2018 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外発光性蛍光プローブを用いた植物の気孔開閉におけるシグナル伝達機構の解明
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18J15267
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小笠原 宏亮 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 有機蛍光色素 / 蛍光イメージング / pHプローブ / 近赤外蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外蛍光色素は,細胞毒性や生体透過性の観点から有用である.そこで,近赤外蛍光色素にpH検出能と細胞内局在性を付与することで,特定のオルガネラにおけるpH変化を追跡できる近赤外蛍光プローブの開発に取り組んだ. (1) 細胞内局在の制御 ホスファキサンテン色素(POXs)は,5価リン原子をキサンテン環内に組み込んだ構造的特徴を有する近赤外蛍光色素である.組み込んだ5価リン原子は,π骨格と共役しないP-フェニル基を有するため,これを化学修飾することで,色素の特性に影響を与えずに官能基化することができる.実際に,P-フェニル基にモルフォリン(酸性オルガネラ)やHoechst(細胞核)誘導体を導入したPOXsは,導入した置換基に由来する細胞内局在を示した. (2) pH検出能の付与 POXsのキサンテン骨格の9位のアリール基に,ジエチルアミノ基を導入することで,酸性領域において蛍光を発する仕組みを付与した.ホスファローダミンを基本骨格とすることにより,酸性領域(pKa = 4.9)で蛍光を発するpHプローブを,また,強酸性化で色素骨格そのものがプロトン化されるホスファフルオレセインを用いることで,弱酸性領域(pH 4.8~6.2)のみで特異的に発光するpHプローブを開発した. これらの手法を組み合わせることで,動物培養細胞のエンドソーム内や,植物の根・表皮・花粉管の細胞壁にプローブを局在化させることに成功した.動物の培養細胞実験では,初期エンドソームから後期エンドソームへの成熟に伴いエンドソーム内部のpHが低下する様子を観察することに成功した.現在は,現在は植物細胞におけるpH変化の追跡に取り組んでいる.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)