2018 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal development of complexity, accuracy, and fluency in L2 writing
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18J15317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西村 嘉人 名古屋大学, 国際開発研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | L2ライティング / CAF / 学習者コーパス / ネットワーク分析 / 複雑動的システム理論 / CDST / 縦断的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英文ライティングにおける「複雑さ・正確さ・流暢さ」の発達を「複雑動的システム理論(Complex Dynamic Systems Theory、以下CDST)」の理論的枠組に基づいて縦断的かつ探索的に検証することである。 今年度は、先行研究のレビュー、収集したデータの分析、そして複雑さ・正確さ・流暢さの指標値の算出を行った。CDSTに基づいた縦断的研究の先行研究のレビューでは、まだ十分に先行研究が蓄積されていないことから、著名な国際学術誌に掲載されている研究のほぼ全てを渉猟することができた。また、CDSTに基づいた縦断的研究を行う上での手法を先行研究を十分に検討し、ネットワーク分析を用いることを決定した。データの分析においては、分析対象となる489ファイルを対象に、複雑さ指標及び流暢さ指標を「L2 Syntactic Complexity Analyzer」用いて算出した。ライティングにおける流暢さ指標に関しては、主にプロダクト指標とプロセス指標に大別することができるが、本研究では、プロセスのデータは収集していないため、プロダクト指標を用いることを決定した。正確さ指標に関しては、学習者の英作文とそれに対応する英語母語話者による添削文を比較して、正確さ指標を算出するという手順をとるため、489ファイル全てに対して英語母語話者による添削が必要になる。今年度は、予算の関係上、187ファイル分の添削を完了した。添削が完了した187ファイル分の正確さ指標の算出に関しては、「ERRor ANnotation Toolkit: Automatically extract and classify grammatical errors in parallel original and corrected sentences(以下、ERRANT)」を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に目標としてきたことは、ほぼ全て完了しているが、英語母語話者による添削に関しては、予想よりも少ない数しか添削できなかった。しかしながら、残りの302ファイル分については、次年度の予算内で全て添削可能なため問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
添削が完了していない302ファイル分の添削を完了させ、全489ファイル分の正確さの指標値をERRANTを用いて算出する。その後、複雑さ・正確さ・流暢さの指標値を用いてネットワーク分析を行い、縦断的なネットワークの変容を探索的に検証していく。
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