2018 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of interaction network on swarm intelligence in ants: Omics revolution in social insects
Project/Area Number |
18J20064
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
庄司 一貴 首都大学東京, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 複雑システム / 群知能 / 集団意思決定 / 社会性昆虫 / ARトラッキング / マイクロインジェクション / マイクロロボット / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、蟻の群知能を個体間相互作用ネットワークの視点から解明するための実験装置、解析システム、実験方法の立ち上げを行った。蟻のコロニーの全個体の個体間相互作用を自動特定するために、AR(拡張現実)トラッキングシステムを構築した。ARタグを蟻に貼り付け、ARタグをカメラで撮影する。そして画像中のARタグの情報をよみとることで、全個体の個体番号、位置情報などの行動ビッグデータを取得することに成功した。行動ビッグデータを活用し、計算することで、蟻の個体間相互作用を自動特定することに成功した。個体間相互作用ネットワーク構造をネットワーク分析とシミュレーションにより、解明中である。 さらに、個体間相互作用ネットワーク構造の機能を操作実験により直接解明するために、個体間相互作用のノックダウンとノックインの実験方法の開発に取り組んだ。個体間相互作用のノックダウンには、蟻個体に対する生理活性物質のマイクロインジェクションを用いる。実際に個体にインジェクションを行い、インジェクションによる行動パターンの変化を測定した。また、ノックインは、マイクロロボットで動かすことのできる微小ビーズをコロニー内に導入することで、相互作用の人為的追加、攪乱を行う。そのためのマイクロロボット制御、微小ビーズの開発に取り組んだ。 コロニー内のどの個体に対して相互作用の実験操作を行うか選定するために、個体の生物学的特性データ(役割分担、行動特性)の自動取得を試みた。役割分担の自動特定をするために、行動ビッグデータを解析した。その結果、空間分布と活動性のみから個体の役割分担を自動特定できる可能性が示唆された。また、個体の行動特性を自動取得するために、ANTAMとよばれるサーボスフィア装置を用いて、移動軌跡を構成する最小単位である行動モチーフの特定を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、個体間相互作用のノックダウンならびにノックアウトのみを考慮していた。しかし、本年度は個体間相互作用のノックインの研究に着手することができ、当初の計画を超える展開となった。 さらに、相互作用の操作実験を行う個体を選定するための情報である、個体の生物学的特性を自動的に取得する方法を本年度で構築することができた。 そのため、来年度は、当初の計画をさらに発展させた研究内容に取り組むことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、個体間相互作用ネットワーク構造と群知能のパフォーマンスの解明に取り組む。また、ネットワーク構造の操作実験を本格的に開始したいと考えている。そして、蟻コロニー最適化アルゴリズムにとってかわる次世代のアルゴリズム開発や、人工知能開発に貢献したいと考えている。 特に、マイクロロボットの実験系の構築を完了させる。さらに、フィードバックを組み込んだ複数台のマイクロロボットを蟻コロニー内に同時展開させる。そして、蟻-ロボットのサイボーグコロニーを用いた実験操作により、群知能に対する個体間相互作用ネットワーク構造の機能解明に取り組みたい。 当初の研究計画をさらに発展させて、蟻全個体の行動ビッグデータのみではなく、全個体のバイタルデータを非侵襲的かつ非接触の自動取得に取り組みたいと考えている。そして、全個体のバイタルデータから、個体体内の状態を推定し、行動ビッグデータならびに群知能のパフォーマンスデータと紐づけする。そして、個体体内の状態と個体の行動、群知能の関係の解明に取り組みたいと考えている。 最終的には、バイタルビッグデータ、行動ビッグデータ、ネットワークのすべてを統合して、群知能の解明をすることを目標としたい。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Behavioral motif detection in ants2018
Author(s)
Kazutaka Shoji, Ryusuke Fujisawa, Naohisa Nagaya, Aiki Yamada, Adam L Cronin
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Journal Title
Proceedings of the 62nd Annual Conference of the Institute of Systems, Control and Information Engineers (ISCIE)
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