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2018 Fiscal Year Annual Research Report

国際バカロレアに関する理論的・実証的研究―「知の理論」を中心に―

Research Project

Project/Area Number 18J20217
Research InstitutionUniversity of Tsukuba
Research Fellow 江幡 知佳  筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
Project Period (FY) 2018-04-25 – 2021-03-31
Keywords高大接続 / 国際バカロレア / ディプロマ・プログラム / 知の理論
Outline of Annual Research Achievements

本研究の初年度に当たる本年度は,国際バカロレア(IB)機構初代代表であるPeterson(Alexander Duncan Campbell Peterson)の著作(Peterson 2003,Peterson 1972),先行研究(主に,2000年までの「知の理論」(TOK)の発展を詳述したDoll(2001)による研究),TOKの改訂に関する報告書(IBO 2017),ならびにIB機構でTOKのカリキュラム改訂に携わる人物に対する聞きとりの結果などを手がかりにして,TOKの成立・発展過程を明らかにすることを試みた。
TOKは,Petersonが有していた大学入学前段階の教育に関する理念から生み出された。Petersonは,教科同士を関連させながら,各教科に固有の方法論を学び,且つそれを実社会の状況に応用できるようになることを,大学入学前段階にある生徒にとっての最優先事項であると考えた。それゆえ,TOKはIBのディプロマ・プログラム(DP)において「知的な接着剤」(van Oord 2007)としての役割を果たしていると評価されてきた。
しかし,TOKの発展過程を振り返ることにより,以下の課題が見えてきた。すなわち,教師の自律性に多くを委ねることにより,TOKの実践には,常にその質の不確かさをめぐる問題が付随してきた。さらに,TOKが多様な学力層の生徒を対象に広く機能する科目か否かに関しては,疑念が残る。
また,本年度は,上記に関連して,日本の高大接続におけるIBの位置づけに関して,定性的調査を継続的に実施した。具体的には,IBを活用した入試を実施している大学のアドミッション・オフィスへの訪問調査,ならびに日本の大学に在学しているIB修了生へのインタビュー調査を実施した。
さらに,米国フロリダ州の高大接続におけるIBの位置づけに関して,訪米調査を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の初年度に当たる本年度は,国際バカロレアの「知の理論」の理論的根拠について,主に文献調査の手法を用いて明らかにすることを試みた。そして,それに加えて,国際バカロレアの汎用性について,定性的調査の手法を用いて検証することを試みた。国際バカロレアは,その組織としての性格上,必ずしも十分に資料を入手することが簡単ではないが,多くの当事者としての教員,生徒,学生等にアプローチをすることにより,一定程度,国際バカロレアを理論的に,また実証的に検証することが,達成されたと考える。特に米国フロリダ州での調査では,同州の大学のアドミッション・オフィス,大学生などを対象に高大接続におけるIBの位置づけ,意義等に関するインタビューを行い,貴重なデータを収集することができた。これにより,次年度以降,この領域での研究の進展も期待される。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策として,2019年度以降は,以下4つの研究課題に取り組む。第一に,日本におけるIBに関する政策文書,ならびにステークホルダーへのインタビュー調査を通じて,日本でIBが教育政策に位置づけられ,その政策が遂行されていく過程を描く。
第二に,日本の大学に在学しているIB修了生へのインタビュー調査を実施し,彼らが大学準備プログラムとしてのIBをいかに評価しているかを明らかにする。
第三に,米国におけるIBに関する政策文書,ならびにステークホルダーへのインタビュー調査を通じて,米国でIBが教育政策に位置づけられ,その政策が遂行されていく過程を描く。その際,IBの普及が進むカリフォルニア州とフロリダ州に焦点を絞る。
第四に,米国の大学に在学しているIB修了生へのインタビュー調査を実施し,彼らが大学準備プログラムとしてのIBをいかに評価しているかを明らかにする。左記の課題を達成するための海外調査として,本年度は,2度の訪米を計画している。具体的には,米国カリフォルニア州,及びフロリダ州の州教育委員会,学区教育委員会,IB修了生を受け入れている大学,IBを実施しているハイスクールを訪問し,一次資料としての政策文書等を収集するとともに,IBを選択している高校生やその親,IBを経験した大学生,ハイスクール校長と教員,大学教職員,及び教育委員会職員等を対象にインタビュー調査を実施する計画である。

Research Products

(4 results)

All 2019 2018

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Examining International Baccalaureate as the educational program for making students ready for learning at universities2019

    • Author(s)
      Chika Ebata
    • Organizer
      Contemporary Trends of Development of Higher Education: Problems And Perspectives
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Examining International Baccalaureate as the educational program for making students ready for learning at universities2019

    • Author(s)
      Chika Ebata
    • Organizer
      Innovation approaches in the preparing psychologists and pedagogs in universities of Japan and Kazakhstan
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 国際バカロレア(IB)を活用した大学入試に関する研究2018

    • Author(s)
      江幡知佳、川口純、岡村拳
    • Organizer
      日本国際バカロレア教育学会第3回大会
  • [Presentation] 日本の大学教育における国際バカロレア(IB)の活用に関する研究―IB入試実施大学とIB修了生へのインタビュー調査から―2018

    • Author(s)
      江幡知佳
    • Organizer
      日本教育制度学会第26回大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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