2019 Fiscal Year Annual Research Report
Revival of Soto Zen in Metropolitan Tokyo
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18J20240
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
DUAN YIWEN 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 梅花講 / 曹洞宗 / 現代社会 / サウンドスケープ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は東京都内にある禅寺のサウンドスケープに関する調査を行った。 ①禅寺のサウンドスケープの一事例として、東京都新宿区繁華街に位置する長光寺によって定期的に(月に2回)開催される梅花講を対象にして参与観察を行った。また、梅花講員(梅花講の会員)に対するインタビュー調査を行った。長光寺で行った調査の内容は次の通りである。a.梅花流詠讃歌の活動の開催様子に対する参与観察、その行い方に対する詳細なる記述である。b.梅花流詠讃歌の指導者と梅花講員への聞き取り調査(音楽経験と交わる宗教経験に焦点を当て、演奏時の個人感想と個人的経験、個人の日常生活及び日常生活での宗教的な実践を含む)。c.梅花流の開催を取り組んでいる寺院の住職への聞き取り調査(梅花流の実践に対する松倉太鋭住職の考えを含む) ②調査と同時に梅花に関する資料を手に入れた。詳細は以下の通りである。a.梅花流詠讃歌活動において、指導者と梅花講員が使用する資料; b.曹洞宗寺院に配布された梅花流資料; c.梅花流詠讃歌活動の発足と関わるお坊さんたちの生い立ちについての書物; d.曹洞宗宗務庁によって出版された梅花指導に関する資料; e.曹洞宗総合研究センターによって行った梅花流詠讃歌の歴史的研究(教団の側面での研究)の資料。 ③以上の調査に基づき、国際学会であるISSR(International Society for the Sociology of Religion)と、EAJS(The European Association for Japanese Studies)で研究結果を発表した。これによって、東京都内の禅寺のサウンドスケープを梅花講の事例を通して、それが持っている宗教学的意味を明らかにした。 ④その他、昨年度の調査に基づき、『宗教学・比較思想学論集』とKnowledge-Eで学術論文を出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において、当初の予定通りに梅花講の詳細なる調査を行い、また国際学会で研究発表を順調に行ったため、本研究課題を「おおむねに順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今まで行ってきた禅寺のランドスケープとサウンドスケープの調査で不十分な点について補足調査を行う予定である。ただし、以下の点について変更があり、対応策を述べる。 ①今までの梅花の調査の補足調査として、5月に開催する「梅花流全国大会」を調査する予定があったが、コロナウィルスの影響で大会がキャンセルされることになった。それに対応し、梅花流の全国大会への調査を前回の全国大会の記述に基づき、資料収集を行う予定である。 ②8月にニュージーランドで開催するIAHR(International Association for the History of Religions)に参加して、学会発表する予定があったが、前項と同じ事情により学会がキャンセルされた。それに対応し、Contemporary Buddhism に学術論文を投稿することに変更した。
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