2019 Fiscal Year Annual Research Report
小脳顆粒細胞における分裂方向と娘細胞の運命決定メカニズムの解析
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18J20309
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
足立 透真 早稲田大学, 先進理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 小脳顆粒前駆細胞 / Notch signaling |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経前駆細胞の分裂後の運命はどのように決定されているのか、という命題を解明するために、その運命の決定に、母細胞の分裂面方向が重要な因子として影響を及ぼしているのではないかという仮説に基づいて、小脳顆粒前駆細胞を用いて行われている。 昨年度の研究によって、小脳顆粒前駆細胞が分裂する際に、Notch signal の抑制因子である Numb タンパク質の不均等局在が確認されたことから、本年度は、Notch signal が小脳顆粒前駆細胞の運命にどのような影響を及ぼしているのか、その分子機構の解明に挑んだ。その結果、小脳顆粒前駆細胞内におけるNotch 関連タンパク質の発現の揺らぎが、小脳顆粒前駆細胞自身の運命に影響を及ぼしていると考えられる結果を得られた。現在はこの内容を論文投稿中であり、今年度中の学会誌への論文掲載を目指している。 夏にはこの研究内容についての共同研究、技術習得のためにドイツガン研究センター(DKFZ)への短期留学を行なった。ドイツでの研究生活は、ヨーロッパのシステマチックな研究現場を見ることができた非常に良い経験であり、共同研究についても適切に進めることができた有意義なものであった。 また、Neuro2019では若手道場において口頭発表を行い、優秀発表賞を受賞させていただいた。秋にはシカゴで行われたSociety for Neuroscience2019に参加し、ポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は神経前駆細胞の分裂、分化のタイミングを制御する分子機序の解明を、小脳顆粒前駆細胞を用いて行おうとしているものであり、既にその一端を担うNotch signalingによる制御機構を示唆するデータを得ている。現在はこの内容で論文投稿中であり、今年度中の学会誌への論文掲載を目指している。また、国内国外における学会発表、海外留学も積極的に行っており、研究者として生きて行く上で、必要な技術、経験を身につけていけていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に論文を学会誌に掲載することを目指す。また、論文投稿後のRevise時にReviewerから指摘された点に真摯に対応し、必要に応じて共同研究者であるドイツDKFZの面々と協力して実験を行い、迅速な論文掲載を目指す。
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