2018 Fiscal Year Annual Research Report
Policy Transfer Influenced by Business Operations and Market -A Case Study of Conflict Minerals Regulation in African Great Lakes Region-
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18J20347
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪口 絢子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 国際規範 / 国際政治 / グローバル・ガヴァナンス / ビジネスと人権 / 紛争鉱物 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である本年度は、後に控えるインタビュー調査等に備えるため、主に基礎調査に徹した。国際関係論上の企業に関する理論を中心とした先行研究レビューと、アフリカ大湖地域における紛争鉱物規制の最近の変遷と評価についての文献調査を行った。それに加えて、紛争鉱物規制とも関連の深い「ビジネスと人権」規範の昨今の学術的議論及び実務の進展についても、文献調査を進めた。 文献調査の傍ら、各研究会や学会で研究成果を報告し、聴衆と討論者からフィードバックを得た。主に国際人権法学会に所属する若手研究者による若手人権問題研究会において報告機会を得たが、本研究の取り扱う「ビジネスと人権」規範は国際人権法学者によって学術的議論及び実務が先導されており、ここで法学研究者からフィードバックを得ることができたことには意義がある。11月末には計画通りジュネーブにて国連ビジネスと人権フォーラムに参加し、同分野の研究者及び実務家と議論及びネットワーキングを行った。 インタビュー調査を目的としたルワンダにおける研究滞在は、1月開始を予定していたが、2月中旬にずれ込んだ。これはルワンダ国内の手続きをクリアするのに時間を要したことによる。また入国後も研究許可を取るための手続きが完了しなかったため、2018年度中はインタビュー調査をより効率的に行うための準備として、ルワンダ国内研究協力者との連絡調整と、録音をしない聞き取り、及び資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究の遂行に必要な基本的な理論について理解を深めることができただけでなく、隣接分野の研究者とのネットワーキングの機会も多く確保することができた。貴重なフィードバックを得たほか、今後の共同研究や共同報告の機会に繋げることができた。 手続きが難航したためにルワンダにおける研究滞在の日程に遅れが生じているが、インタビュー調査自体は翌年度に回されたものの、今年度はその準備に十分に時間を費やすことができたため、特筆すべき遅れが生じているとは思わない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度集中的に渉猟した国際関係論上の企業に関する理論や最新の実務の動向をもとに、今後はルワンダにおける紛争鉱物規制の発展とその間の企業の関与について事例をもとに詳細に分析していく。前期はルワンダで一次資料収集を行いながらペーパーの執筆を進める。後期には同分野に関連の深い海外の研究機関に滞在し、分析枠組みの刷新を図りつつ、本事例から得られる広範的なインプリケーションを探る。一年を通じて、学会発表や学術誌への投稿を積極的に行っていきたい。
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Research Products
(4 results)