2019 Fiscal Year Annual Research Report
Determination of M - R relation for X-ray Isolated Neutron Stars with keV - X-ray excess
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18J20523
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米山 友景 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | X線天文学 / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる対象である単独中性子星、RX J1856.5-3754 について、国際宇宙ステーション(ISS) 搭載のX 線望遠鏡 “Neutron star Interior Composition ExploreR” (NICER) による合計 200 キロ秒の観測を行った。これは、昨年度提案し、競争的審査を経て採択されたプロポーザルによるものである。しかし、取得したデータを解析するにあたって、バックグラウンドの寄与が予想より大きいことが判明した。NICER におけるバックグランド評価は、運用開始から日が浅いため、十分には確立されていなかった。そこで、私は NICER を運用するアメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター(NASA/GSFC) に客員研究員として令和元年10月から令和2年1月まで赴き、開発中のバックグラウンドシミュレーションツールの系統的な評価、改善を行った。結果、バックグラウンドの系統誤差は減少し、より暗い天体について詳細な解析が可能になった。この成果は、本研究のみならずNICERを用いて研究する世界中の研究者にとって有益なものである。また、本研究について国内外の学会・研究会で積極的に発表し、多くの研究者と議論した。更に、X 線撮像分光衛星”XRISM”搭載の軟X 線撮像システム”Xtend”の検出器開発に携わり、多数の実験に参加し、その成果について学会、研究会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NICERによるRX J1856.5-3754の観測は競争的審査を経て、提案どおり200キロ秒の観測として採択され、予定通りに完遂された。しかし、本研究を遂行する上で重要となるバックグラウンド見積もりの手法が十分確立されていないことは想定外であった。NASAにおける研究で、この点については解決したため、令和2年度は予定通りデータ解析を遂行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の研究によって、本研究を遂行するために必要なRX J1856.5-3754の観測データは得られた。令和2年度はデータ解析を進め、RX J1856.5-3754の質量―半径に制限をつける。
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