2020 Fiscal Year Annual Research Report
地球化学モデリングによる環境循環型建設材料の二次生成相と強度の予測
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18J20929
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 賀奈子 北海道大学, 大学院工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 天然有機物 / 建設材料 / 製鋼スラグ / 浚渫土 / 固化阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境影響負荷の低い建設材料の活用は、循環型社会の構築のためには不可欠である。海洋の堆積泥である浚渫土と、製鉄所の副産物である製鋼スラグは、その資源活用が促進されてはいるものの定期的に大量に発生するため、廃棄される割合を減少できていない。一方で、浚渫土と製鋼スラグは、混合することで固化反応が生じるため、海岸近傍の建設材料としての利用拡大が期待されている。その強度発現に影響する浚渫土と製鋼スラグの要素を明らかにすることは、強度発現の予測につながり、浚渫土や製鋼スラグといった廃棄土壌をセメント固化する産業副産物組み合わせの建設材料利用の拡大に貢献する。本年度以前には、その混合土の強度発現にプラスに寄与する要因を明らかにし、浚渫土に含まれる有機物の強度発現阻害の可能性を見出した。本年度は、軟弱な混合土を作成する浚渫土に共通して含まれる有機物の構成要素を特定するために、土壌有機物を詳細に分析し、その構成要素を明らかにした。従来の研究では、有機物のセメント系材料に対する作用は、主に負電荷を持つ酸性官能基と、正電荷を持つ陽イオンや固体表面との相互作用で考察されてきた。しかし、本年度の研究を通し、天然の浚渫土に含まれる有機物のうち、チオールやスルフィドという還元的な硫黄の量が、強度発現の阻害の指標になることが明らかとなった。本年度の成果は、環境影響負荷の低い建設材料の強度予測をする際に重要となる要因を新たに示したことで、廃棄土壌や産業副産物の建設材料利用の拡大に貢献できるものとなった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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