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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Sociology of aging self in the depopulated area : Life story of people in former mine town Ashio

Research Project

Project/Area Number 18J20976
Research InstitutionNihon University
Research Fellow 三浦 一馬  日本大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
Project Period (FY) 2018-04-25 – 2021-03-31
Keywords個人史 / 聞き取り調査 / 過疎地域 / 鉱山町研究
Outline of Annual Research Achievements

本研究では過疎地域で生きていくことの主体的な体験を明らかにするために、過疎地域で地域の衰退を経験してきた高齢者に聞き取り調査を行ってきた。
2019年度においては調査地域である足尾町で複数回フィールドワークを行い、そこでの関係性を構築しながら高齢者に対して聞き取り調査を行い、彼ら彼女らの生涯の中で地域の変容がどのように位置づけられているのかを考察することができた。また、地域行事にも積極的に参加し記録することができた。また、本年度では個人蔵の映像資料(合計480分)の劣化を防ぐために、DVDにダビングして保存することができた。
こうした成果を各種学会へ参加し発表するなかで専門的な分野からの意見をいただき議論することができた。また、調査地である足尾町と類似する背景を持つ旧炭鉱町の夕張でも数回フィールドワークを行う中で、夕張で開催された市民講座で報告する機会を得ることができ、そこで暮らす地域の方たちと議論するなかで、町の行く末についての共通性や差異を確認し、研究の問題点を確認することができた。
また、理論研究に関わる論文として「個人化」に関する理論研究論文の1章の和訳を第三オーサーとして行い投稿、掲載された。
以上、本年度の研究活動を通して、過疎地域で暮らしていくことの検討にはまだ様々な問題点があることが見えてきた。特に、変容していく「生活」という視点から地域を捉えようとする時に何をどのように定義し、聞き取りを進めるかが重要な課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

聞き取りや調査地での関係性の構築といった調査全般に関することにおいては、計画通り順調に進んでおり今後も一定の成果が得られることは期待できる。特に本年度は聞き取りに加え、調査の過程で発見した映像資料のアーカイブも行うことが出来たことは大きな前進であった。また、学会報告も計画通り行うことができたことに加え、市民講座などで研究報告を行い議論する中で研究の問題点を確認できた。
しかし、論文としてその成果を提出することが叶わなかった。計画では学会誌に一つの論文を掲載する予定であったが、2019年度では共著での一つの論文を投稿するに留まった。研究のアウトプットに力を入れていくことがさらに必要であった。
以上から、調査活動においては順調であるが、全体としては「やや遅れている」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

これまでの調査の中で見えてきた問題点を解決しながら、成果をまとめて発表していくことを重視していきたい。
まず、調査地での聞き取りを解釈するうえで「生活」という視点を明確化したい。なぜなら、地域の変容を捉える上で、彼ら彼女らがどのように暮らし、何を感じてきたのかを明らかにするためには、その「生活」に注目し明らかに必要があるからである。これまでの先行研究で積み重ねられてきた「生活」をめぐる議論を整理したうえで、さらに衰退しながら変容していく「生活」について議論する道筋を立てていく。
調査については、これまで通りに定期的にフィールドワークを行い、聞き取りを進めていく予定である。これに加えて、各地方にある旧鉱山町へも足を運び、比較対象としながら新しい知見を見出したい。
さらに、これまでの聞き取りをまとめる作業も同時に進めていきたい。最終年度となるため、これまで得られてきたデータを小冊子などにまとめていく。これを通して、地域の方々へ研究の成果を還元し、さらに聞き取りを円滑に進めていけるような関係づくりにつなげたい。そして、昨年度では思うような成果の上がらなかった論文の投稿も行っていく。これまでの成果を論文として、まとめることで博士論文の執筆に向けての準備としたい。また、学会、研究会にも積極的に参加し、報告していく予定である。
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大の状況については十分に配慮する必要がある。特に、本研究の調査地は高齢者が多いため、今後の状況次第では、対面での聞き取り調査については行わないことにする。その場合、手紙や資料提供など間接的にやりとりするなど調査方法や計画について柔軟に対応していく。

Research Products

(2 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] アイデンティティ、個人主義、個人化-自己の3つの型2020

    • Author(s)
      石田裕美子・河田純一・三浦一馬・千歩弥生
    • Journal Title

      立正大学社会学論叢

      Volume: 19 Pages: -

  • [Presentation] 衰退する社会との付き合い方「距離をとる」―旧銅山町足尾での語りを通して―2019

    • Author(s)
      三浦一馬
    • Organizer
      関西社会学会大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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