2018 Fiscal Year Annual Research Report
双連続キュービック液晶を利用した水素/電解質/白金間における三相界面の拡張
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18J21088
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小林 翼 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 高分子 / 電解質 / 液晶 / 双連続キュービック / プロトン / ジャイロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
双連続キュービック液晶相を発現する液晶分子の設計・合成、そして、その液晶構造の固定化は、本課題を達成する上で必要不可欠な達成事項である。様々な液晶分子を設計・合成していく中で、Gemini型の両親媒性分子が双連続キュービック液晶相の誘起に有効であることを見出した。そこで、重合性官能基である1,3-diene基をGemini型両親媒性分子に導入し、液晶構造の重合固定化を試みた。 新規に合成した重合性Gemini型分子は双連続キュービック液晶相を発現しなかったが、適切な種類・割合の溶媒下では双連続キュービック液晶相を発現することを見出した。液晶状態においてin situ重合を行うと、液晶構造を維持したまま重合が進行し、自立性のポリマーフィルムが得られた。 作製したフィルムを水に浸漬すると、水がジャイロイド構造に沿ってフィルム内部に取り込まれることが分かった。交流インピーダンス法によりイオン伝導度を測定すると、10-1 S cm-1 ほどの高いイオン伝導性を示した。これらの結果はすでに論文として投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
双連続キュービック液晶相は極めて珍しい液晶相であり、意図的な誘起は困難である。数多くの液晶分子を設計・合成することで適切な分子設計指針を手繰り寄せることができた。またその液晶構造を固定化できたのは大きな進展といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
双連続キュービック液晶構造を有するポリマーフィルムを作製できたので、この材料をの水素ガス透過性を評価する。ガス透過性が十分でなかった場合、ポリマーフィルムの組成や添加物を加えることでガス透過性の向上を狙う。
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Research Products
(8 results)