2019 Fiscal Year Annual Research Report
双連続キュービック液晶を利用した水素/電解質/白金間における三相界面の拡張
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18J21088
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小林 翼 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 液晶 / 双連続キュービック / ジャイロイド / プロトン伝導 / ガス透過 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃料電池カソードにおいて水素・電解質・白金の全てが接地する点(三相界面)で水素の酸化反応が進行する。三相界面を意図的に拡張する方法論を確立できれば、燃料電池の発電効率を飛躍的に向上できる。しかし、ガス・イオン・電子という異なる性質の物質を同時に共存させることは難しく、新しい材料設計の提案が必要である。 我々は両親媒性分子が親疎水性部位の相分離力を駆動力に発現するナノ相分離液晶に着目して研究を進めている。近年では、このナノ相分離液晶の親水性ドメインをプロトン伝導場として機能化することに成功してきた。そこで、疎水性ドメインを非極性ガスの水素輸送場として機能化できれば、三相界面を拡張する材料になりうると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題を達成するために、新たに重合性両親媒性分子を開発した。この両親媒性分子を用いて、作製した高分子膜は高いプロトン伝導性を示すことを見出した。この成果に関しては、学術論文や解説記事として報告している。2019年度にはこの高分子膜を利用してガス透過実験も行いはじめた。測定中に高分子膜が割れやすいなど、実験手法に関する課題点もあったが条件検討を繰り返すことで、正確に評価を行えるようになり始めた。得られた結果は、目的よりも遥かに低いガス透過性であったが、サンプルの調整方法を検討することでガス透過性の改善の兆しが見え始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ガス透過性の更なる評価を行うことを第一の研究実施計画とする。ガス透過性は成膜条件や使用する両親媒性分子の設計によっても大きく変化することが予想できる。そこで、測定条件の最適化や分子設計の改善を行う必要もあると考えている。良い結果が得られた場合、高分子膜を燃料電池デバイスに組み込み、電気化学的な評価を行う予定である。
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Research Products
(12 results)