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2019 Fiscal Year Annual Research Report

神経細胞特異的Sik3遺伝子欠損マウスを用いた睡眠・代謝制御神経基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 18J21517
Research InstitutionUniversity of Tsukuba
Research Fellow 浅野 冬樹  筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
Project Period (FY) 2018-04-25 – 2021-03-31
Keywords睡眠・覚醒 / 概日リズム / 遺伝子改変マウス / Cre-loxPシステム
Outline of Annual Research Achievements

研究代表者らは、ランダムな点突然変異を引き起こしたマウスの睡眠覚醒をスクリーニングすることにより、SIK3の機能獲得型変異は睡眠時間および睡眠要求の増加を引き起こすことを明らかにした。しかし、内在性のSIK3が睡眠覚醒制御にどのように関わっているのかは明らかになっていない。線虫やショウジョウバエにおける機能喪失型SIK3の発現は睡眠様行動を減少させることからも、マウスにおいても野生型SIK3が睡眠覚醒制御に関与することが予想される。また、全身性のSIK3欠損マウスは概日周期長の延長を示すが、そのほとんどが生後1日以内に死亡してしまい、生き残ったマウスも低成長を示すため、睡眠研究には不向きである。本研究では、新たに確立したCre酵素特異的にSIK3欠損を引き起こすSik3-floxマウスを用いて、特定の神経細胞集団におけるSIK3欠損が睡眠覚醒制御に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。
Sik3-floxマウスとCre酵素を発現するマウスと交配し、特定の神経細胞でSIK3を欠損したマウスを作成した。約10種類の神経細胞種特異的SIK3欠損マウスの睡眠覚醒を評価した結果、睡眠時間や睡眠要求に異常をきたすマウスを見出すことができた。また、全身性SIK3欠損マウスを用いた研究の報告と同様に、概日周期長に異常をきたすマウスを作成することにも成功した。睡眠異常を引き起こすマウスと概日周期異常をきたすマウスは独立している。以上のことから、SIK3は異なる神経細胞集団を介して睡眠または概日リズムを制御していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度はSIK3を介した睡眠制御に関わる神経細胞種をCreドライバーマウスを使用して特定できたこと加え、概日リズムの表現型については過去の報告を再現することもできた。
代謝の実験など、一部研究計画書通りに進行しなかった部分もあるが、SIK3を介した睡眠の制御だけでなく、計画時には予定になかったSIK3を介した概日リズム調節についても研究が進展した。以上を総合して判断すれば、研究は概ね期待通りに進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究により、SIK3を介した睡眠制御に重要な神経細胞群および概日リズム制御に重要な神経細胞群を特定することができた。今年度は、得られた睡眠異常、概日リズム異常を示すマウスそれぞれの表現型を精査していく。
具体的には、睡眠異常を示すマウスを用いて、断眠実験後の脳波の解析や、ノンレム睡眠中の脳波成分の推移について解析することで、睡眠要求に対する応答について評価する。
また、睡眠要求の増加に応じてリン酸化が亢進する蛋白なども報告されており、睡眠異常を示すマウスの脳内蛋白質のリン酸化状態についても調査する。リン酸化状態の確認には、蛋白質を網羅的に分析することができる質量分析器を使用する計画である。
概日リズム異常を示すマウスについては、中枢時計として知られる視交叉上核に着目して研究を進める。視交叉上核のどのような神経細胞群がSIK3を介した概日リズム制御に重要なのかを調べるために、特定の神経細胞群でSIK3を欠損したマウスを作成し、概日周期長を計測する。加えて、SIK3がどのように概日周期を調整しているのかを明らかにするために、分子生物学的な実験も予定している。
次年度が最終年度であり、上記2つの内容について一定の結論を導いて論文として報告する。

Research Products

(3 results)

All 2019

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Sleep/wakefulness in neuron subtype-specific SIK3-deficient mice2019

    • Author(s)
      Fuyuki Asano, Tomoyuki Fujiyama, Chika Miyoshi, Noriko Hotta-Hirashima, Miyo Kakizaki, Aya Ikkyu, Satomi Kanno, Shinya Nakata, Nodoka Asama, Seiya Mizuno, Fumihiro Sugiyama, Satoru Takahashi, Hiromasa Funato, Masashi Yanagisawa
    • Organizer
      第42回日本神経科学大会
  • [Presentation] 神経細胞サブタイプ特異的SIK3欠損マウスの睡眠覚醒2019

    • Author(s)
      浅野冬樹、藤山知之、三好千香、堀田範子、柿崎美代、一久綾、管野里美、山田麻奈、中田慎也、水野聖哉、杉山文博、高橋智、船戸弘正、柳沢正史
    • Organizer
      第26回学術大会日本時間生物学会
  • [Presentation] Sleep/wakefulness in neuron-specific SIK3-deficient mice2019

    • Author(s)
      Fuyuki Asano, Tomoyuki Fujiyama, Chika Miyoshi, Noriko Hotta-Hirashima, Miyo Kakizaki, Aya Ikkyu, Satomi Kanno, Shinya Nakata, Nodoka Asama, Seiya Mizuno, Fumihiro Sugiyama, Satoru Takahashi, Hiromasa Funato, Masashi Yanagisawa
    • Organizer
      Fusion of Biomedical and Physical/ Informational Sciences in Neurobiology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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