2020 Fiscal Year Annual Research Report
歴史意識と政治思想――マキァヴェッリの「画期性」再考
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18J21882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村木 数鷹 東京大学, 法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | マキャヴェッリ / 歴史叙述 / 政治思想 / ペスト / モンテスキュー / 戦後日本 / 岡義武 / リーダーシップ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響による半年間の採用延長期間に該当する本年度は、想定外の予定変更についても可能な範囲でこれを積極的に活用していくことを意識しながら、大きく以下の3点にわたって自身の研究成果を発表した。 第一に、パンデミックという時勢にも強く影響されて、これまで日本での紹介が一切なされてこなかった16世紀のペストを題材としたマキャヴェッリの最新テクストの分析を行なった。その成果は、「マキャヴェッリの『ペスト書簡』」として『日伊文化研究』60号に掲載された。また、紹介に留まらない独自の分析については、2022年4月のThe Renaissance Society of AmericaのAnnual Meetingの場で口頭報告を行った。なお、晩年のマキャヴェッリに対する理解を深めるという意味において、従来の自身の研究関心からも一定の継続性が認められるテーマである。 第二に、マキャヴェッリが歴史を解釈する際の方法論的な特徴を検討する上で重要な比較項となり得るモンテスキュー『ローマ人盛衰原因論』について、とりわけ古代ローマ史理解や共和主義思想の伝統との関わりに焦点を当てながら、検討を進めた。その成果は、フランス政治思想研究会において「モンテスキューと『共和主義』?」と題した口頭発表で報告した。 第三に、感染症の影響に伴って刊行スケジュールの延期を余儀なくされていた『戦後日本の学知と想像力』という論文集への寄稿に際して、「戦後日本のリーダーシップ論」に対する関心に導かれながら、日本政治史研究の大家として知られる岡義武について、各種のアーカイヴなども利用しながら調査を進めた。自身の専門からは大きく離れながらも、マキャヴェッリに対する独自の理解も反映させた領域横断的な研究成果として、「岡義武とマキャヴェッリ──現代版『君主論』の彼方へ」と題した原稿を公刊した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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