2020 Fiscal Year Annual Research Report
ウミガメ卵を採餌するヘビにおける社会行動の獲得要因の解明
Project/Area Number |
18J21914
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 和将 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 社会行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、野生のアカマタ(捕食者)とウミガメ卵(餌資源)の特性を把握し、単独性の動物が社会を形成するのに必要な条件を検討することにある。したがって、沖縄島北部の砂浜におけるルートセンサスや定点カメラ撮影などの野外調査が必要不可欠である。本研究では、沖縄島においてフィールド調査を実施し、定量的なデータを取得して、ヘビの社会行動を解明した。
アカマタによる個体間相互作用の解析 昨年度までに計48回のアカマタによる個体間相互作用が撮影された。野外のヘビにおいて、このような例数を観察できたことは、世界初の成果である。これらの個体間相互作用を詳細に解析することで、ヘビの社会性に関して以下の新たな知見が得られた。(Ⅰ)儀式的闘争(コンバットダンス)によって他個体を産卵巣から追い払う縄張り行動が沖縄島でも確認された。(Ⅱ)攻撃を仕掛けるか否かは占有個体に依存しており、順位制の存在が示唆された。さらに、攻撃する場合と逃げる場合とでは、占有個体に対するにおいの嗅ぎ方が異なっていたため、においに基づいた個体認知能力を有する可能性が示唆された。(Ⅲ)攻撃しなかった場合、占有個体が食べ終えて産卵巣を離れるまでの間、産卵巣の付近で待機するという特有の行動が観察された。(Ⅳ)複数個体で同じ産卵巣を利用することで、単独で採餌するよりも大きな利益が得られるという社会的モジュール性が示唆された。大きなヘビが採餌することで、砂中の卵室まで通じるトンネルが産卵巣に形成される。そして、他の多くのヘビがこのトンネルを利用することで、個々の処理コスト(深さ約50㎝の穴を掘る)が減少した。
以上の成果は論文にまとめて投稿する予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)