2019 Fiscal Year Annual Research Report
分散配置マイクロフォン・スピーカを用いた音場収録・再現
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18J21926
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植野 夏樹 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 音場収録 / 音場再現 / マイクロフォンアレイ / スピーカアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に,①複数のスピーカを用いた音場再現,②非線形飽和現象を考慮した音場収録及び③音源位置の事前情報を用いた高精度な音場収録に関する研究を行った. ①は,任意の配置及び指向性のスピーカアレイを用いた音場再現に関する研究であり,平成30年に国際論文誌に投稿した内容の修正及び追加実験が主である.令和1年4月に査読結果(条件付き採録)が通知されたため,修正及び実験の追加を行い提出し,令和1年8月に受理された. ②は,任意の配置及び指向性のマイクロフォンを用いた音場収録に関して,従来では扱われていなかったマイクロフォン,増幅器及びAD/DAコンバータにおいて生じる非線形飽和現象を考慮した計測手法を提案した.本問題は無限次元関数空間における最適化問題として定式化されるが,本研究ではこの問題を計算機上で解くための理論を提示し,既存の最適化アルゴリズムによって本問題を解くことが可能であることを示した.また,数値実験によって,本手法の有効性を確認した.この研究成果は令和2年2月に国際論文誌に投稿され,現在査読中である. ③は,任意の配置及び指向性のマイクロフォンを用いた音場収録に関して,音源位置の事前情報を用いて計測の精度を向上させる手法を考案した.また,数値実験により,事前情報を用いない従来手法との比較を行い,提案手法がより高精度な音場の推定を実現するを確認した.この研究成果は令和2年4月に国際論文誌に投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和1年度の研究では,音場再現に関する研究成果が国際論文誌に掲載され,音場収録に関しても理論の確立及び数値実験による有効性の確認が達成された.したがって,研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでに提案した音場再現及び収録に関する手法に関して,実環境における実験を行う予定である.また,これまでの研究成果を博士論文としてまとめる予定である.
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Research Products
(14 results)